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auCL 体験型サービスに参入、飲食店など予約可に、新しいコマース体験提供

2021年 4月15日 12:30

 auコマース&ライフ(auCL)は1月19日、仮想モール「au PAY マーケット」において、体験型サービスの取り扱いを始めた。au PAY マーケットのスマートフォンアプリ内に「レストラン予約」のタブを設けている。レストランだけではなく、宿泊、美容施設の予約をできるようにしていくというもので、「新しいコマース体験」をユーザーに提供し、他社との差別化を図る。
 











 同社は2019年4月、仮想モール運営のKDDIコマースフォワードと、「お得に贅沢体験」がモチーフの通販サイト「LUXA(ルクサ)」を運営するLUXAが合併して発足した。「モノ」と「コト」を総合的に提案できる会社となったことで、「暮らしのカタチをつくる」というミッションと、「新しいコマース体験の追求」をビジョンとして掲げている。

 「『モノ』と『コト』の両方をワンストップで提供したい」(auCL広報)と考えて始めたのが今回のサービスだ。「通販」という点でも「サービスの予約」という点でも規模の大きなサイトは他にあるものの、両者を一気通貫で提供できるサイトは珍しい。

 「これまで20年以上に渡って総合ショッピングモールとして歩んできたが、より独自性を出していく必要があると考えた。同じ会社のサービスでも、モノとコトではアプリが分かれていることが多いが、au PAY マーケットでは、1つのサイト・アプリにおいて、まずは旅行の予約をして、その旅行で必要なスーツケースや衣類、靴といった商品を購入してもらう。そして、旅行先で訪れるレストランも予約できる。こうしたシームレスな買い物体験を提供していくことで、当モールの独自性を消費者に認識してもらえれば」(同)。

 auCLの親会社であるKDDIは昨年5月、グループのポイントプログラムを、共通ポイントサービスである「Pontaポイント」に統合。au PAY マーケットでもPontaを貯めたり使ったりすることができるようになった。auCLでは「Pontaを予約に活用できる点が消費者にとって大きなメリットになる。8900万人以上のPontaの会員基盤を活かし、モノとコトの双方を提案していきたい」(auCL広報)とする。

 LUXAは40~50代の可処分所得の高い層がメインの顧客だが、新サービスはそれよりもやや低い30~40代がターゲットとなる。au PAYマーケットのメインユーザー層にアピールしていきたい考えだ。

 LUXAはユーザーの定着率が高いのが特徴だが、もともとLUXAは飲食や美容系が強かったこともあり、これらのサービスからスタートするが、今後は旅行やオンライン学習、さらには歌舞伎やバレエ、ミュージカル、大相撲などのエンターテイメント系商材も取り扱う予定。

 au PAYマーケットアプリのほか、スマートフォン決済「au PAY」アプリからの流入も見込む。さらには「au経済圏」に属する他のアプリからも流入してもらえるように動線を設ける。「au PAY マーケットに、au経済圏を拡大させるためのダイナミックな仕掛けを施していきたい。コト系商材の取り扱いもその一貫となる」(同)。

 今後は、購入したコト系商材に関連した商品を、スムーズに消費者へとレコメンドしていくために、KDDIグループの技術力を活用した「接客」を行う。auCLの広報は「ある特定のアクションを起こしたユーザーに対して、どんな接客をしていくかが、新しいコマース体験を作り上げる上でのカギとなる。偶然の出会いや発見で商品を買うというのは、オフラインの世界では一般的な話だが、ネットでの接客でこうした出会いをいかにして作り出すか、ということにチャレンジしていきたい」と意欲的に語る。

 
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