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テレビ露出増え市場のすそ野拡大<男性用育毛剤、「マス市場」で認知> クロスメディア戦略がカギに

2021年 8月26日 12:00

 男性用育毛剤市場のすそ野が広がっている。ここ数年、ウェブを主戦場に、市場はソーシャルテックがけん引。育毛ケアに対する「抵抗感」の打破を目指し、他社としのぎを削ってきた。一方、コロナ禍のテレビ通販で一気に露出を高めたのがファーマフーズ。男性用育毛剤の認知を広げ、市場が拡大した。かつてコンプレックス商材として利用層は限定されていたが、認知が進み、マス市場における戦いに突入している。

 ソーシャルテックは「自信を持って日常を過ごせる方を一人でも多く」をコンセプトに事業展開する。洗髪を目的としたシャンプーを薄毛に悩む層に「頭皮を洗うもの」と提案して市場を切り拓いたアンファーなどと同様、育毛ケアの啓発を通じて市場創出を目指す。価値観の浸透を図る上で、「競合も仲間」(同社)と話し、市場をけん引した。

 一方、昨今は、ウェブ市場の競争が激化。初回単価の安い競合品が増え、獲得単価も高騰していた。

 こうした中、コロナ禍の外出自粛で消費者の在宅時間が増えていたタイミングで、育毛剤のテレビCMを大量投下したのがファーマフーズだ。他社の広告出稿が減少したことも重なり、急速にブランド認知が進んだ。

 ウェブ市場における育毛剤の競合品の商品単価(セット価格を含む)が7000~1万円ほどである中、後発のファーマフーズが展開する「ニューモ育毛剤」は、通常価格5500円。定期価格2475円で展開する。マス市場で競争力のある価格であり、媒体とマッチしたことも成長を後押ししたとみられる。

 21年7月期は育毛剤単体で約200億円の売り上げを見込んでいる。女性層の比率も前年の4割ほどから5割まで高まっている。コロナの収束状況を見つつ、年内に海外展開も視野に入れる。

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 育毛剤は、夏の繁忙期、冬の閑散期がある季節商材。マーケティング費用のコントロールが難しく、参入障壁にもなっている。ファーマフーズも上期に広告宣伝費の集中投下を行い、下期に利益回収する通期黒字化モデル。大手との提携など信用力、潤沢な資金の調達を背景に、トップの経営判断で攻めの投資が行なえている。

 ソーシャルテックは、育毛剤に続き、オーラルケア商品が第二の柱に成長しつつある。事業基盤の安定化が、育毛剤の販売戦略にも好影響を及ぼしそうだ。20年3月期は前年から横ばいで推移。育毛剤単体は60億円前後(本紙推計)。21年3月期の売上高は、85億円前後だったとみられる(本紙推計)。大半を育毛剤が占めた。今期は、広告投資を強化するマウスウォッシュの新規獲得が好調。総売上高で100億円も視野に入れる。

 育毛剤は、オファー施策の強化、テレビCMの放映でブランディングを強化する。すでに複数の地上波で放映するほか、5月には、タレントのルー大柴さんを公式アンバサダーに迎えた。現状は、男性層が大半を占めるが、女性用育毛剤ブランドも立ち上げた。

 ウェブ市場は、アフィリエイト広告を中心に規制環境が変化する。今年3月には、T.Sコーポレーションが消費者庁から措置命令を受けた。アフィリエイト広告を対象に初めて広告主の表示責任が問われた。育毛剤の新規獲得の多くはアフィリエイト広告に依存。広告審査の強化も進み、競争環境は厳しくなっている。今後は、クロスメディア戦略の強化が必要になりそうだ。
 
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