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キューサイ 女性用発毛剤を展開、通販の知見活かし医薬品強化へ

2021年 9月16日 12:50

 キューサイが女性用発毛剤の市場に参入した。市場は、すでに男性用発毛剤で実績のある大正製薬やアートネイチャーなどの企業がけん引する。男性に比べ女性はより通販での購入意向が強く、これまで培った通販の知見を活かせるとみる。

 






 今年8月、女性向け発毛剤「華乃髪アップ」(=画像、税込5390円)を発売した。有効成分として「ミノキシジル」を1%配合。壮年性脱毛症における「発毛」と「育毛(脱毛の進行予防)」の2つの効果を表示する。このほか、頭皮環境のケアや保護等を目的にした「パンテニールエチルエーテル」、「トコフェロール酢酸エステル」、「ℓ―メントール」と計4つの有効成分を配合する。

 ミノキシジル配合の発毛剤はすでに流通するが、男性向け(ミノキシジル5%配合)にアプローチするものが大半を占める。薄毛に対する悩みを持つ女性もいるが、店頭では相談しづらく、手に取りにくい傾向にあるという。

 化粧品ブランド「コラリッチ」は、ヘアケア商品として、髪のコシやハリのケアを目的したシャンプーやコンディショナー、薄毛や抜け毛に悩む層向けの薬用育毛剤を扱う。育毛剤市場の伸びを背景に、発毛剤のニーズも高まるとみる。

 キューサイは、電話やメールで気軽に薬剤師に相談できるサポート体制を整備。ECやカタログなど通販を中心に展開することで手軽に利用できる環境を整える。当面は、カタログで既存顧客を中心に提案するほか、通販サイトで販売する。

 同社は昨年1月、「キューサイ医薬堂」を立ち上げ、医薬品通販を始めた。昨年10月、自社サイトに専用サイトを開設。現在、湿布薬や風邪薬、頻尿、関節痛、胃薬など16アイテムを扱う。

 今年4月には、自ら企画した自社ブランド医薬品の販売も開始。手足のしびれや冷えに対応した第3類医薬品「シビレナE300」を発売した。

 「華乃髪アップ」は、自社ブランド医薬品の第2弾。第1類医薬品の取扱いは初めてになる。育毛剤を含む薄毛の悩みについて、女性向けの市場は成長している。発毛剤のニーズも高まると考えた。

 富士経済の調べによると、化粧品や医薬部外品を含むスカルプケア・発毛剤市場は、20年に前年比約6%増の843億円に達する見込み。チャネルは、店頭が47%、通販が53%を占める。部外品の育毛剤市場は20年に同9%増の604億円に達する見込み。チャネルは、店頭が36%、通販が64%を占める。いずれも通販の需要が高まり19年より構成比が高まっているとされる。

 女性向け発毛剤の市場は、男性向け「リアップ」ブランドで知られる大正製薬の「リアップリジェンヌ」(税込5763円)や、アートネイチャーの「LABOMO ヘアグロウ ハナミノキ」(税込4960円)がある。4つの有効成分は、いずれも「華乃髪アップ」と同量を配合している。

 
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