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「レグザ視聴データサービス」 テレビ通販を視聴データで改善、枠選定や番組制作に活用

2022年 2月 3日 13:00

 「番組が”見られているのに売れない”のか、”そもそも見られていない”のか。本当のところが分からない」。

 テレビで通販番組やCMを放送する事業者が持つ悩みの1つは「消費者の視聴行動を正確に把握できない」ことだろう。番組やCM放送後の入電数や受注数などで類推できるが、それは”本当の視聴行動”ではない。「どんな人がどの時間に番組を見ているか」を正確に把握できれば、より効果的な番組(CM)制作や放送枠選定が可能になる。これまである意味でブラックボックスだった「正確な視聴行動」を把握できるデータサービスが登場し、様々な通販事業者がすでにテレビ通販番組やCMの効果改善を進めているようだ。

 東芝ブランドのテレビの製造、販売などを行うTVS REGZAが提供する「レグザ視聴データサービス」がテレビ通販事業者を中心に好評だ。同サービスは同社が販売するインターネット接続可能な3万円から100万円超の様々な価格帯のテレビのうち、同社が利用者に提供するテレビ上の無料コンテンツレコメンドサービス「みるコレ」を利用する200万台超から視聴データを収集、通販事業者を含む広告主や放送局、広告代理店ら利用者に提供するサービスだ。なお、視聴データの収集・提供は「みるコレ」利用時にユーザー許諾をとっている。

 テレビの視聴データと言えば、全国の限られた世帯に計測機材を置き調査するパネル型データが一般的。無論、放送枠の広告価値を計測する上では十分だが、例えば、関東圏で3000世帯弱とサンプル数が少なく、計測粒度も1分単位のため、通販番組やCMの効果を詳細分析するには十分でない。

 一方で「レグザ視聴データサービス」は、同じ関東圏で集計可能なテレビ台数が約80万台と膨大で、独立局を含む地上波・BS・CS・コミュニティチャンネルの視聴データをシングルソースかつ最小1秒単位で提供している。

 さらに「みるコレ」利用時のアンケートで利用者から性別や生年月などの情報も聞いており、例えば「東京在住の4000人の50代女性がこの通販番組のこのシーンで離脱した」などの詳細な視聴データが、オンラインダッシュボードで放送翌日に確認できる。利用料金は月額30万円から。

 これまで正確な視聴データが分からなかったため、例えばあまり売り上げが伸びなかった有名人起用の通販番組を検証する際、「有名人の出演で視聴者が増えたが売れなかった」のか、「視聴者が増えず、売れ行きも伸び悩んだ」のかの切り分けが類推の域を出なかった。ある通販事業者では「レグザ視聴データサービス」を活用することで「視聴データと自社の販売情報を突き合わせ番組視聴と売れ行きの相関関係を分析できるようになった」(通販専門チャンネル運営社)ことで、番組の構成などを効果的に検証し、改善につなげているという。

 また、通販事業者が放送枠を買い付ける際にも視聴データを役立てられるようだ。例えば、通販に親和性の高い視聴者層がいるであろう韓流ドラマなどの番組の後に放送枠を取得することはこれまでもあったが、データを見ると韓流ドラマの前の放送枠にも通販と親和性の高い視聴者が多かった事実が分かり、「今までは前番組からの流入を意識した番組買い付けをしてきたが、(レグザ視聴データで)後番組に向けた流入の多さが分かった」(化粧品・健康食品の通販事業者)とし、費用対効果の高い放送枠の選定に活用しているという。

 TVS REGZAでは通販事業者を対象に「レグザ視聴データサービス」の特徴や、通販番組・CMの視聴分析事例を実データを用いて紹介するオンラインセミナーを開催中。直近では2月17日と同25日に実施する。

 すでに様々な通販事業者が活用し、データを分析することで番組の改善やより効果的な放送枠選定に役立てているという「レグザ視聴データサービス」を他のテレビ通販事業者やテレビ通販専門チャンネル運営者へ訴求し、新規利用社を獲得したい考えだ。
 
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