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ヘイ ECと連携の店舗アプリを作成、今秋からまずショッピファイで

2022年 7月14日 13:31

 通販サイト構築サービス「STORES(ストアーズ)」などを展開するヘイは今秋にも、通販サイトの顧客情報とも連携させることができる実店舗向けアプリの構築サービスを開始する。通販サイト、実店舗の購買情報や来店状況といった顧客データを一元管理でき、顧客に最適なセール情報や来店促進のための特典付与などをアプリのプッシュ通知機能で訴求できるもの。同一顧客が店舗のほか、ECサイトで商品を購入している場合でも紐付けや連携が難しく、ECと店舗で別々の管理となり、独自ポイントがECと店舗で別々の運用となったりなど最適な顧客対応をとれない事業者は多い。こうした問題を同サービスで解消する。ECの連携はまず通販サイト構築サービス「Shopify(ショッピファイ)」を使った通販サイトを対象に実施。今後、「STORES」にも拡大していく(写真は記者発表会の様子。佐藤裕介社長(左)と内田皓大CRM事業部門長)。

 ヘイは7月7日から有店舗小売業向けのアプリ作成サービス「STORESブランドアプリ」の提供を開始した。
同サービスは実店舗運営事業者が来店客に対して、管理画面で顧客属性や来店周期、再来店傾向の確認などを曜日や時間帯、店舗別で閲覧可能な顧客分析機能のほか、アプリ上のアンケート配信で個別の好みや嗜好性も取得できる。また、顧客の利用状況から例えば「1カ月以内に来店した人」など任意のターゲットに対してメッセージや特典など来店促進や購入意欲を高められるようなメッセージやクーポン特典をプッシュ通知で自動配信できるもの。ランク制度やポイントプログラムなどの仕組みも実施できる。

 実店舗の顧客に加えて通販サイトの顧客の情報を一元管理でき、店舗もECも利用するような顧客に対してより適切な販促を行えるのは「STORESブランドアプリ」の2つのプランのうち、月額税込33万円を徴収する「エンタープライズプラン」となる。なお、月額税込22万円で利用できる「スタンダードプラン」はECサイトとの連携などには対応しておらず、顧客管理や自動プッシュ通知などの基本機能のみを利用できる。2プランとも導入費用は徴収しないが、5年以内の解約時には解約費用を徴収する。初年度での解約の場合には100万円、以降、1年後ごとに解約費用は20万円ずつ下がっていく。

 「エンタープライズプラン」では店舗のPOS情報と通販サイトの購買情報などを連携。顧客の名前をもとに両方の情報を紐付けることで、オンラインオフラインでの顧客情報を統合して分析、把握が可能となる。プッシュ通知を使ってECの利用者に実店舗への来店促進を図ったり、逆に実店舗のみしか利用したことがない顧客に対して通販サイトの利用を促すメッセージを送信したり、ECのクーポンコードを送って、クロスセルを促すなどが可能になる。

 ただ、7月のスタート時点ではPOSレジとのみ連携可能で、通販サイトとの連携はこれから。同社によると、連携に向けて開発中としており、まずは秋口をめどに「Shopify」を使った通販サイトから連携を始める計画。その後、同社が展開中の「STORES」にも対応していくとしている。

 同社によると、これまで店舗用アプリを開発しようとすると多額の人手や開発コストがかかるケースが多く、また、どのような機能を入れ込むべきか悩んでしまうことがあり、中小規模の事業者にはハードルが高かったが、「STORESブランドアプリ」は有償の追加機能などが必要なく初めから必要機能を備えており、「(競合サービスで『STORESブランドアプリ』と)同じ機能を提供しようとすると100万円近い月額費がかかるのではないか」(内田皓大CRM事業部門長)とし中小事業者でも導入しやすいとしている。また、ECと連携したアプリ作成サービスは多いが、実店舗とECを連携させたアプリ作成サービスはなく、競合サービスとの差別化を図っていく考えで、2~3年以内に100社超の利用者数獲得を目指す。
 
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