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ヤマトロジ 愛知でTSS専用拠点稼動

2010年 9月30日 17:06


071.jpg  ヤマトロジスティクス(YLC)は、通販受注商品を8時間で届ける「トゥデイ・ショッピング・サービス」(TSS)に対応した専用物流拠点の拡充を進めている。この一環として9月18日、愛知県小牧市に自動倉庫システム「オートピックファクトリー」(APF)を備えた「愛知クイック通販ロジセンター」(愛知センター)の稼動を開始。一大市場の東名阪ラインを結ぶ要衝となるもので、これまでの展開をもとに新たな機能も付加した。今後、同センターをベースに、TSS専用拠点の拡充および機能強化を図る構えだ。

東名阪ライン結ぶ〝要衝〟、新たな機能も付加

 愛知センターは、建物が地上4階、地下1階建で延床面積1万5514平方メートル。3、4階が補充用商品の保管スペース(5100平方メートル分)、2階が自動倉庫機能を備えたピッキング、および検品・梱包作業スペース、1階が梱包を終えた受注商品を発送する「宅急便」ターミナルになる。
 4階部分には、通販サイトにアップする商品画像の撮影スタジオを設置しており、2階部分のAPFは、出荷能力が1時間当たり1000件で、3日分の在庫商品の格納が可能。1階部分に同規模のAPFが増設できるようにするなど拡張性を持たせている。
 YLCは既に、神奈川、埼玉、千葉、大阪、福岡にAPFを備えたTSS専用拠点を設置。愛知センターは、6カ所目のTSS専用拠点で、関東および関西地区の顧客に対し、午前0時までの受注商品を翌日夕方までに届けることができ、名古屋市と周辺地域は、受注から最短4時間で商品を届ける体制を整える。同センター稼動開始時の利用通販事業者は2社だが、30社を目標に拡大を進める。
 一方、愛知センターでは、これまでのTSS専用拠点の展開をもとに、"柔軟性"を意識した新機能を幾つか盛り込んでいる。そのひとつは「フリーラック・ピッキングシステム」の導入。
 APFの場合、専用バケット(530×366×284ミリメートル)に格納した商品をピッキングする形になっている。このため化粧品や健康食品など小型の商品が扱いやすい半面、専用バケットに納まりきらない異型商品や、キャンペーンなどで一過的に動く商品、季節変動の大きい衣料品などの取り扱いに課題があった。
 「フリーラック・ピッキングシステム」は、この課題をクリアするための仕組みで、異型商品などイレギュラーな商品用のバケットを格納するラックや、APF専用バケットに収まりきらない大型商品を入れたカーゴを置く専用ラインで商品をピッキングする。
 ラックやカーゴは可動式でフレキシブルな作業体制が組めるほか、他のTSS対応拠点の分散在庫商品を格納したラックを持ち込んでそのまま作業できるため、入庫・格納作業の手間が省けるのがメリット。愛知センターではこのほかに、倉庫内を25度の定温管理とし、食品や高級化粧品への対応を強化、検品・梱包ラインの見直しによる効率化も図っている。
 東名阪を結ぶ要衝で新機能を備えた愛知センター。同センターの稼動により、TSSは「人口比率で7割をカバーできる」(YLC山内社長)体制を構築した。今後YLCでは、東北や北陸、中国にも同様の拠点を設け、展開の拡大を図る考えだ。
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