白鳩 若年層開拓に成功【「LINEローカルデー」から㊦】 「友だち」追加直後の販促カギに
2022年10月 6日 12:00
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白鳩WEB事業部CRM課の森谷真夕子課長(=写真(右))は「メルマガの開封率が年々下がってきたこともあり、新たなコミュニケーションツールを探していた。『LINE』は顧客が気軽に使えるし、プッシュ通知などの即時性もあることから、開封率・送客率が期待でき、新たな販促ツールとして使えると判断した」と、「LINE」導入のきっかけを説明する。
白鳩でも、サイトとメルマガでのバナー掲載に加え、LINEの動画プラットフォーム「LINE VOOM」、さらにはLINEスタンプも活用して友だち追加につなげている。その際には、友だち追加の特典を紹介するページを見せることで、友だち追加後すぐにブロックするユーザーの数を抑えているという。
同社の場合、「LINE」を経由した売り上げのうち57%が、友だちに追加された直後に配信する「あいさつメッセージ」経由だ。森谷課長は「この数字は、新規の友だち限定クーポンを配布している影響が大きい。また、クーポン獲得後すぐにブロックされないように、特典の詳細をあいさつメッセージと一緒に送っている。顧客に対し、最初に『このアカウントと友だちになるとどんなメリットがあるのか』を分かりやすく提示することが大事だ」と語る。
白鳩では、「LINE公式アカウント」の機能である「リッチメニュー」(トーク画面下部に固定で表示されるメニュー)に注力しており、特に「ランキング」「新着アイテム」「セールアイテム」といったバナーの位置にこだわっているのだという。
同社が自社コンテンツで検証したところ、右上に配置した「セールアイテム」のクリック数が他と比較して約2倍であることが判明。「ユーザーの多くが、右手の親指でスマートフォンを操作するので、親指の届きやすい右上部分が押されやすいのではないか。そこで、クーポンやセールなど、一番タップしてもらいたい情報を右上に掲載している」(森谷課長)。
同社では購入を後押しするために、2段階に分けたユーザーへのアプローチを行っている。
これは、仮想モールにおいては、セール開催前に買いたい商品に目星をつけ、セール当日に購入するユーザーが多いためだ。そこで、1度目の配信では、まず買い物かごやお気に入りへの追加を促す。そして、PayPayモールにおける日曜日などのセール当日に2度目の配信を行い、着実に購入へとつなげている。リッチメニューは画面に随時表示しているため、配信のない日でも買い物かごへ商品を追加するユーザーが少なくないという。
PayPayモール店アカウントの友だち数は10万人を突破した。「LINE」経由の売り上げも伸びており、4~7月における1人あたり合計購入金額は、同社PayPayモール店の全体との比較で1・6倍に達したという。すでに、メルマガ経由の売り上げを大きく上回っており、特に若年層の購入が目立っている。森谷課長は「当社の顧客は年齢層が高めだったが、『LINE』のおかげで、これまでアプローチできなかった若年層が獲得できた」と手応えを口にする。(おわり)