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売上100億への"一手"とは──八幡物産の八幡清志社長に聞く・その2

2010年10月21日 11:33

2men.jpg 主力のサプリについて。新聞広告は。

 「全国紙にも出稿しているが今は地方紙の比率が高い。15段広告や5段広告を出している。効率の良い媒体に毎月数千万程度出稿している」

 ネット販売は。

 「今、若い層を対象にしたネット向けの商品開発を進めている。TVショッピング向けの商品は年齢層が高いので売上的には限度がある。それと、システムも2012年の1月から新システムに切り替えるつもりだ。それに合わせてサイトも刷新することになる。刷新でひとつ考えているのは、中国、韓国、英語に対応した形のサイトだ。注文もそこで受け付けられるようにしたい」

 海外の話が出たが現地での通販状況は。

 「台湾はテレビ通販をしていたが、思うように売り上げが伸びず苦戦している。中国では2011年1月に会社を設立する。上海に拠点を置く100%子会社だ。現時点では外資の企業に対して通販の営業許可がおりない。最近一部メディアで解放するような報道がなされたが、現実的にはまだ少し先になりそうで当面はBtoB。店舗でのBtoCも近い将来実施したい。サプリメントと化粧品を販売する」

 具体的には。

 「実店舗に商品を卸すバイヤーや、内資の通販や組織販売をしている企業などに向けて商品を販売する。構想では、中国国内で販売しつつ、そこを拠点にしていずれ東南アジアにも進出したいと思っている。実は、今はインドネシアから引き合いが来ている。富裕層に日本のサプリを販売するわけだ。インドネシアはイスラム教なので戦略的にも「ハラル」(宗教上で禁止されている食材が使用されていないか証明する制度)を申請中だ」

 他に前期からの取り組みは。

 「今年の春から、週1回で30秒の企業広告を始めた。朝の数番組への提供だが、これは長期戦と考えている。始めたからといってすぐに売り上げが伸びるわけではないので。長い年数をかけてじわじわ浸透させていければと思っている。ブランディングの一環で、グルコサミンを出して、開発した商品のこだわりを見せている。商品を開発した工場や原料を出すなどだ。原料はカニなので、カメラマンに真冬の日本海を5日間船に乗って撮影させ地獄に近い体験をさせてしまった。企業価値を高めるために今やっておいたほうがいいと判断した」

 サプリから化粧品へのクロスセル効果は。

 「それはあまりない。サプリはサプリ、化粧品は化粧品ということだろう。サプリと化粧品は年齢層が違うのも大きい」

 新商品の開発は。

 「育毛剤を考えている。これはもう少し先になりそうで、今は素材を吟味して試作を重ねている状況だ。他の商品同様、『自然派』というキーワードを全面に出したものになるだろう」

 今期見込みは。

 「売上高は71億6600万円、経常利益が3億3000万円を見込んでいる」

 今期の課題は。

 「定期購入の解約率はどう下げるか。テレマーケティングやDMなどでコミュニケーションを取りながら色々な手法でチャレンジしたい」

 売上げ100億円も視野に入ってきた。

 「あと2年かな、と見ている」  (おわり)

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