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ニュースの断層、SEMの専門家に聞く、グーグルの商品検索への対策と影響は?

2010年11月 5日 11:10

「対策のポイントは3つ」

グーグルが10月28日からネット販売商品に特化したショッピング検索サービス「Googleショッピング」を開始した。ヤフーが検索エンジンを年内にもグーグルに切り替える予定で「ヤフー検索」にも表示される可能性もあり、通販サイトにとって今後、有力な集客策となるかも知れない。検索エンジンマーケティングに詳しいアウンコンサルティングの栗原悠氏(=写真)に「Googleショッピング」が与えるネット販売への影響や通販サイトが採るべき対策などについて聞いた。
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Googleショッピングに対して通販サイトが採るべき対策は。

 「グーグルの精度の高い検索技術を使ってのショッピング検索は使い勝手も良さそうでネットで商品を購入したいと思うユーザーに受け入れられる可能性は高いと思う。そのため、まず自社サイトで販売する商品をGoogleショッピングの検索対象にすること。これには2つの方法がある。グーグルのクローラーが自分たちの通販サイトから商品情報を取得して検索対象に加えるのを待つか、グーグルが公開した『マーチャントセンター』に通販サイトが商品名や価格、商品説明などの商品情報を提供するかだ。価格比較サイトのように掲載料や手数料を取るモデルではなく、すべて無料。自社商品が検索対象になっていない通販サイトは自ら商品情報をグーグルに提供した方が良いと思う」

 商品情報の提供は面倒ではないのか。

 「ある程度、ウェブに精通している人であれば、難しいことではない。XMLファイルなどでデータフィードをアップロードするだけだ」

 Googleショッピングの検索対象サイトは今、どのくらいか。

 「実際に検索してみると千趣会、ディノス、ジャパネットたかた、ベルーナ、ヨドバシ、ケンコーコムなど大手通販サイトが中心だ。例えば『掃除機』というキーワードで検索をかけると1300点の商品が出てくるが、通販サイト自体は約40ショップだった。食品やアパレル関連のキーワードで検索したが、いくつかの通販サイトが何度も登場しており、それほど多くはない。今後、かなり数は増えると思う」

 検索対象に楽天やアマゾンが含まれていないようだ。グーグル側である程度、検索対象サイトを選んでいるのか。

 「現在のところ、楽天のショップとアマゾンは検索対象に含まれていないようだ。憶測だが、楽天やアマゾンの商品情報はグーグル側でも取得することは容易だ。何らかの理由でグーグルが検索対象から恣意的に外している可能性もある。逆に通販サイト側の事情で拒んでいる可能性もある。米国の『Googleショッピング』でもアマゾンは掲載されていないようだ。何らかの合意が取れているサイトのみを現時点では対象としているのかも知れない」

 Googleショッピングの検索結果で上位に表示されるには。

 「『掃除機』で検索すると現状、最上位に『ダイソンDC26』が来ている。ここは流行・鮮度を検索順位に反映させるというグーグルの考え方で決まっているので、人気商品を販売するほかないが、その『ダイソン』をクリックすると約40のサイトが羅列されている。価格が安いなどでも検索できるが、初期設定の『関連度順』で上位表示されているサイトの傾向を見ると大きく3つのポイントがある。検索結果に表示されるタイトルタグ、商品画像のオルト属性(※画像内容を説明するテキスト)に検索ワードや例えば『ダイソン』などの商品名が含まれていること。検索結果からリンクする商品ページのHTMLソースコード上、直前の部分に検索ワードや商品名が含まれているものが現状、上位表示されやすい。あとは『価格の安い順』で検索をするユーザーが結局は多いはずでやはり"価格"なのかもしれない」

 年内にもヤフーが検索エンジンをグーグルのものに切り替えるが、ヤフーの検索にもGoogleショッピングが表示されるのか。


 「ヤフーの発表ではグーグルの検索エンジンを採用後は、それにヤフー独自の枠を設けて、ヤフー独自サービス『知恵袋』や『オークション』などに関連した検索結果なども盛り込むとしている。グーグルの検索エンジン自体をヤフーがアレンジすることは考えにくいため、WEB検索についてはそのまま表示するはず。ショッピングに関連するキーワードの場合はグーグルのWEB検索の結果画面にも『Googleショッピング』の検索結果が表示されるため、ヤフー検索に表示される可能性はあると思う」


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