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2010年 5月20日 17:51
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同社では、2024年3月期における実店舗も含めた売上高が5年ぶりに1000億円以上に回復。不採算店舗の見直しを進めながら、アフターコロナの購買需要を効率的に獲得できたことが奏功した。
今期については、OMO戦略の強化を図り、通販と実店舗の両方を併用する優良顧客の育成を強化していく。
まず、社内体制としては、マス・アナログ・デジタル広告などCX戦略の一元化を実現するための組織体制に変更。これまでは、ECを所管するウェブ事業部と販売促進部が別のチームとなっていたが、一つの組織として統合し、横の連携強化を図っている。一例として、実店舗とオンラインで情報共有を図ることで、タイミングを合わせて同じ内容のキャンペーンや特集企画などを打ち出して、訴求力を高めていくことがあるという。
また、顧客がECとリアルをシームレスに利用できるような環境づくりにも着手。傘下ブランドでビジネスカジュアルなどを手掛ける「ORIHICA(オリヒカ)」で先行導入したECと実店舗が連携するOMO機能の「イージーウェブショップ」について、AOKIでも導入を開始する。
同機能は、実店舗でECも含めた在庫から商品を選んで再来店が不要で買い物ができる「ウェブオーダーサービス」や、EC商品の「店舗受け取り」、ECで気になった商品を店舗で事前に取り置きができる「取り置き予約」などがあり、これに対応した店舗をAOKIでも順次導入していくとした。
ショールーム型店舗も視野
さらに、MD面については商品構成の大幅な変革を計画。現状、「スーツ・フォーマル」が7割、「カジュアル」が1割、「レディース」が2割となっているが、これを32年には4対3対3の比率に変えていくことを目指す。まずは、27年に5対2対3にしていく考え。ただ、「スーツ・フォーマルの売り上げを落とすのではなく、残りを上げる。そうしないとトップラインは上がってこない」(森裕隆社長)と説明。スーツ・フォーマルに関しては、今後ゆるやかな市場縮小が見込まれるものの、オーダースーツや高価格帯スーツ、レンタルサービスなどのてこ入れを進めることで、規模を維持していくとした。
そのほかの重点施策としては、オリヒカの出店強化があり、今後は年間約15店舗、28年度の200店舗体制を計画。これまでは平均で200平方メートル~260平方メートルの規模を軸に出店していたが、今後は130平方メートル規模からの出店も検討していく。
男性向けのみ、女性向けのみといった品ぞろえで展開するものや、店頭在庫を絞ったショールーミング型に近い店舗についても、今下期からトライアルで開設することを予定している。