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小林製薬 紅麹事業から撤退、通販29%減、関連損失80億計上

2024年 8月15日 12:00

 小林製薬は、紅麹事業から撤退する。製造する「紅麹」を含む製品による健康被害は、死亡の疑いを含め、調査事案が100件を超えている。健康被害を受け、被害者への補償を開始する。第2四半期(1~6月)は、関連する通販事業が前年同期比28・7%減、ヘルスケア事業は同3・5%減に落ち込んだ。通期予想を修正する。

 
 事業撤退は、8月8日開催の取締役会で決議した。撤退完了は未定。業績に与える影響は、軽微としている。撤退後も取引先や被害者に対する補償、原因究明に対応していく。

 同日付けで通期業績予想を公表した。今年5月に通期業績予想を取り下げ、未定としていた。

 「紅麹」の健康被害問題を受け、特別損失として、製品回収関連の損失として約80億円を計上する。第3四半期以降も追加計上の可能性を示す。

 製品回収関連の損失は、第1四半期に38億6100万円(製造設備の減損損失2億1300万円を含む)、第2四半期に40億8100万円(同400万円を含む)を計上する。

 通期業績予想は、1690億円(前年比2・6%減)、営業利益は240億円(同6・9%減)、経常利益は255億円(同6・7%減)、純利益は121億円(同40・5%減)に修正した。

 健康被害を受けた顧客への補償対応も始める。これまでも製品との関連が疑われる事例に対し、医療費等の支払いを行ってきた。大阪市から回収命令を受けた「紅麹コレステヘルプ」など3製品のうち、青カビ由来の「プベルル酸」を含む製品、可能性のある製造ロットの製品について、腎疾患やそのほかの症状に「相当の因果関係が認められるもの」を対象にする。医療費・交通費のほか、過去の裁判例を参考に慰謝料、休業補償、後遺障害による逸失利益も個別に算定する。8月19日から受け付けを始める。

 第2四半期の売上高は、前年同期比0・7%減の約731億円。「国内」は、同5・7%減の約567億円で、営業利益は5・1%増の97億8400万円、「海外」は同14・4%増の約189億円、営業損失は4億9100万円(前年同期は、8億6900万円の利益)だった。

 国内は、「ヒプキュア」、「消臭元ZERO」、「ゴホナース」に加え、芳香剤がけん引。今春に15の新製品を発売した。インバウンド需要も増加した。

 ヘルスケア事業が苦戦した。今年3月の自主回収以降、国内は、全製品の広告を停止。通販は、定期購入解約の影響を受けた。事業別の売上高は、「通販」が同28・7%減の27億3500万円、「ヘルスケア」が同3・5%減の298億2300万円、「日用品」は同1・1%増の214億7100万円などだった。

 
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