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イケア・ジャパン 都市型の渋谷店を刷新、店内の大型画面からEC購入

2024年 8月29日 12:00

 イケア・ジャパンは8月27日、都内の「IKEA渋谷」店舗をリニューアルオープンした。大型スクリーンを活用した二次元コードによるEC購入サービスなど、オムニチャネルを意識した店舗設計を取り入れている。

 渋谷駅から徒歩5分圏内にある同店舗は、2020年に開設し4年間を経ての今回の刷新となる。都市型の小型店舗として運営しており、店舗面積は1階から7階の合計で約4800平方メートル。大型商品などは展示が中心で、都市部でも商品の実物を体験できる場所として展開している。郊外型の大規模店の品揃えを補完する機能としては、店内にある商品タグに付けたQRコードから通販サイトの当該商品の商品詳細・購入ページに送客する仕組みなどを設けている。

 刷新後の同店については、約2700点の家具、生活・インテリア雑貨を展示し、その内、約1700点は当日の持ち帰り購入が可能となる。

 店内では様々な家族構成やコンセプトをもとに部屋をイメージした商品を展示する「ルームセット」をはじめ、リビング・ダイニング、キッチン、オフィスなどのシーンごとにフロアを設けている。

 そして、オムニチャネルに向けた目玉企画としては、大型スクリーンによる「インテリアスタイルラボ」を導入。LEDを搭載したカーブ型の大型スクリーンとなっており、同社のインテリアデザイナーによって、日本の家での暮らしのニーズをもとにつくられた約50種類の部屋のバーチャル画面が閲覧できるようになっている。手元のパネルで360度自由に動かすことができ、スクリーン上の表示商品は、二次元コードをスキャンすることで、通販サイトから購入ができる。

 同機能に関しては、以前から”体験型ショッピングツール”として展開していたもので、今回の最新版となる機能は、世界中のイケアの店舗の中でも初めての導入となる。

 そのほか、刷新後も引き続き、通販購入商品の店舗受け取りサービスを1律300円で実施。従来から取り入れていたサービスだが、刷新後はより受け取り場所が分かりやすいような店内表示を採用して、来店者へのオムニチャネル活用を促す内容とした。

 店舗のPRに向けては、店舗外の大型サイネージ広告のほか、同社初となる、ロケーションベース型ARを使用して、イケアの宇宙人の「家」に見立てたコンセプトのAR動画を公開。SNSでもその宇宙人をバーチャル上に出現させて、動画の最後には通販サイトのページへ遷移。動画内に登場したイケア商品を購入することも可能となっている。

 現状、同社では新宿と原宿と合わせて国内3カ所で都市型店舗を運営しているが、同店はその中でも一番大きい規模となる。コロナ禍が明けて消費動向やインバウンド客の流入など商流の変化が見られる中、テストを重ねながら店舗の在り方も変化させていく考え。

 なお、開店前の8月26日に開催された内覧会では、ペトラ・ファーレ社長兼チーフ・サステナビリティ・オフィサーが登壇し、昨今の物価高の問題について言及。その上で「昨年11月から約950の商品価格を下げたが、今後も(値下げへの)投資を続けていく」とした。そのほか、同社によると、現在のEC事業は堅調な推移を見せており、直近の夏前には、冷感素材の商品や、テキスタイル商品などの動きが活発になっていたとした。

 
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