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江崎グリコ グリーンスプーンとコラボ商品、相互送客や調達で連携も

2024年 9月 5日 12:00

 江崎グリコは9月17日、GreenSpoon(=グリーンスプーン)とのコラボレーション商品を発売する。グリーンスプーンを通じて、新規顧客との接点を増やす。相互送客や原料など調達面等で連携を図り、相乗効果を生み出す。サブスクリプションモデルで展開するグリーンスプーンの強みを活かし、自社で展開する低糖質食品の利用機会を増やすことも目指す。
 
 江崎グリコは今年6月、グリーンスプーンの全株式を取得し子会社化した。コラボ商品の発売は、株式取得後初めて。グリーンスプーンは、今期(24年12月期)に前年比約2倍の売り上げを見込んでいる。

 コラボ商品はアーモンドミルク飲料「アーモンド効果」に使うアーモンドペーストを使用したスープ(=画像、3種類)。電子レンジで加熱することで調理が完成する。水の代わりに「アーモンド効果」を使用することも提案し、濃厚な味わいで顧客満足度を高める。

 江崎グリコは、低糖質で訴求するアイスなどの菓子、冷凍生パスタ麺などの食品を展開するブランド「SUNAO」を展開している。その技術を活かし、今年12月からグリーンスプーンの通販サイトで生パスタ(3種類)も発売する。

 グリーンスプーンは、包装の特性からこれまでショート麺しか扱っていなかった。江崎グリコの技術を活かし、初めてロング麺を展開する。商品は、一般的な食事の摂取量に比べて糖質を抑えつつ、数種類の野菜を摂取できるようにする。

 両社は、今後も商品開発や調達面、知見活用で連携を深める。双方のブランドを活かした相互送客、調達のプラットフォーム共有なども検討する。

 海外展開では、現時点で連携は計画していない。グリーンスプーンはブランド立ち上げ当初から海外を視野に入れており、アジア圏を中心に販路の拡大を視野に入れている。江崎グリコの海外拠点を生かした展開も検討していくようだ。

 グリーンスプーンは、30~40代のひとり暮らしの消費者を中心に、約17万人の顧客がいる。売上高の9割がサブスクリプションサービスを利用している。江崎グリコの持つ流通網や食品加工技術、知見を活かした事業拡大を図る。

 江崎グリコはグリーンスプーンのデジタルマーケティングノウハウ、商品開発スピードを生かした協業を進める。



サブスク通じ消費を習慣化、野菜軸の独自性強みに

<両社に聞く強みは>

 江崎グリコとGreenSpoonは8月30日に商品発表会を開催した。江崎グリコの木村幸生執行役員健康イノベーション事業本部長兼健康事業マーケティング部長(写真(右))と、グリーンスプーンの田邊友則社長に連携の強みを聞いた。

 ーー今回の共同開発商品の狙いは。

 江崎グリコ木村氏(以下、木村)「アーモンドミルク飲料『アーモンド効果』はこれまで外食チェーンなどとのコラボを通じて利用シーンを増やしており、その取り組みの一つ。今回サブスクを通じて販売することで顧客と継続的な接点を持つことができる」

 ーーグリーンスプーン取得後の連携の進捗は。

 木村「今後、お互いの顧客に対して情報を発信し相互送客する。プラットフォームや調達などの共有化も探り、事業強化をめざした協業を進める」

 ーー海外は。

 木村「江崎グリコとして計画はない。海外拠点があるので今後検討したい」

 グリーンスプーン田邊氏(以下、田邊)「世界中のだれでも読めるブランド名や包装デザインを採用している。海外販路の開拓は前向きに考えたい」

 ーーグリーンスプーンの強みは。

 木村「顧客と直接つながり、デジタルコミュニケーションのノウハウがある。多種多様な野菜を取り扱い、商品開発スピードも速い。ブランドのイメージやデザイン性も強みで、小売の店頭で中身の見えない包装では売れないが、グリーンスプーンのブランドではそれができる」

 ーーグリーンスプーンの提供価値は。

 田邊「野菜を軸にした商品展開に独自性がある。素材を届け、顧客自身が電子レンジで加熱して料理に変える。ここに新規性があり差別化になっている。グリーンスプーンがある生活を楽しむ顧客の情緒的価値につながっている」

 ーー今後の目標。

 田邊「今期(2024年12月期)は前期比2倍の伸長を計画中。スムージーやサラダ、主菜、主食を展開し70SKUを取り扱い、継続率が高いサービスだ。12食セットが人気だが、顧客が自由に個数を決定でき、購入商品と点数によって金額がきまる。サブスクは定額サービスが一般的だが、当社の自由度の高さがLTVの向上に貢献している」


 
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