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三井物産、中国の大手テレビ通販に出資

2011年 1月27日 12:31

 三井物産は中国のテレビ通販関連企業に資本参加して中国でのテレビ通販に本格参入した。1月19日付で中国の国営テレビ局のグループ会社の株式を取得、出資比率は25%とした。今後、三井物産が保有する商品調達ルートやテレビ通販ノウハウを注入。また、放送スタジオや物流倉庫、システムの増強を支援するなどし、出資先のテレビ通販会社の業績拡大を進める。三井物産は09年3月に台湾のテレビ通販会社を買収、すでに中華圏でテレビ通販事業を開始しているが、中国本土でのテレビ通販展開は初めて。今回の出資で中国でのテレビ通販ビジネスを本格化させたい考え。

 三井物産が出資したのは中国国営テレビ局、中国中央電視台社(CCTV)のグループで「中視購物」のブランド名でテレビ通販事業を行う中国国際総公司(CITVC)に対し、商品供給や物流などバックヤード全般を支援・代行するCCTVショッピング(CCTVS=本社・北京市)。三井物産は同社が実施した第三者割当増資および既存株主からの譲渡でCCTVSの株式25%を取得した。株式取得額は「非公開」(同社)としている。

 三井物産によると、CITVCは中国第3位のテレビ通販会社で安徽省や雲南省、浙江省、天津市などでケーブルテレビを介して、パソコンやカメラなどの電気製品や家庭用品、家電などを中心にテレビ通販展開を行っているという。関係筋によると、中国の外資規制で三井物産はCITVCに直接、出資できないため、CITVCが手がける通販の商品調達や物流などバックヤード全般を引き受けるCCTVSに今回、三井物産は出資。間接的に中国のテレビ通販企業に参画した格好だ。

 出資に伴い、三井物産はCCTVSに副総経理(=副社長)として役員を派遣。また、スタッフも数人送り込み、グループの通販企業でこれまで培ってきた商品仕入れルートや品質管理などの日本のテレビ通販のノウハウや09年3月に買収した台湾のテレビ通販企業「ショップネット」における中華圏でのテレビ通販の知見などを注入。また、金額は明らかにしていないが、今回の三井物産からの出資金の大部分は撮影スタジオや物流センター、ITシステムの増強に使用される予定でCITVCの業績拡大を図っていく。

 今回の出資によるCITVCの具体的な業績目標については明らかにしていないが、三井物産によると中国のテレビ通販市場規模は09年度で約2500億円。今後、年率30%増で成長し、2014年度には8000億円まで拡大すると試算しており、「少なくとも(CITVCの)業績は年率30%増以上で推移させたい」(三井物産)としている。

 中国のテレビ通販を巡っては今回の三井物産の出資のほか、昨年8月に伊藤忠商事が中国テレビ通販4位の「ラッキーパイ」に出資するなど日本の商社の中国でのテレビ通販進出が加速している。

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