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キリンHD、グループシナジー発揮――通販3割増収へ

2011年 3月24日 18:34

3kata.jpg キリンホールディングスがグループでシナジー効果を発揮している。グループで原料供給と通販事業を展開する協和発酵バイオ(本社・東京都千代田区、石野修一社長)の健康食品素材「オルニチン」を使った商品を横断的に展開したことで、素材の認知度が向上。これが影響して協和発酵バイオの前期(2010年12月期)通販売上高は30億円超となり、前期比30%を越える増収を確保した。

 キリンHDでは昨年1月、グループのキリンビールやキリンビバレッジ、小岩井乳業、キリン協和フーズの4社で横断ブランド「キリン プラス―アイ」を立ち上げた。

 同ブランドでは第1弾としてオルニチン配合の食品や飲料を展開。協和発酵バイオも原料供給や機能性に関する学術面から貢献した。

 当初、展開する清涼飲料水やビール、食品の「糖質ゼロ」「ノンアルコール」「低カロリー」といった機能性から人気を得たが、グループ各社の広告展開に加え、キリンHDが全国でイベント開催や新聞広告を主体的に展開。さらに、医師や料理研究家をメンバーとする「オルニチン研究会」を発足し、マスコミ向けセミナーなどで学術的アプローチを開始したことで、徐々に素材の認知度が向上。意識調査では、知名度が発売前の8%から24%まで高まったという。ターゲットとする40代女性層に限ると37%という高いものだ(昨年6月時点)。

 こうした取り組みが奏功して「キリン プラス―アイ」では前期50億円の目標を大幅に上回る80億円の売り上げを確保。原料供給も前年比約5倍に伸びたという。

 ただ、今後に課題も残す。「オルニチン」の知名度の高まりに対し、「キリン プラス―アイ」の認知度が10%と低迷している点だ。

 キリンHDでは、オールアバウトで有識者による連載を持つほか、オールアバウト会員を対象にしたメルマガを配信。認知向上を図ると共に、今期売上高120億円をめざす。
 また、協和発酵バイオでは、「オルニチン」の好調を背景に今期も2ケタ増収をめざす。
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