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倉庫バブルの行方

2019年 8月22日 13:40

 「まるでバブルの時によく聞いたような話だ。きっと近いうちに弾けるだろう」と物流企業の関係者が語るのは、近年、急激な値上がりが続いている物流倉庫用地の相場について▼同社が5年ほど前に自社で開設した関東地方のある物流団地内の倉庫について、今年に入ってから、隣の物件が当時の3倍の価格まで値上がりしたとの話を聞いたという▼通販物流も手がけている同社によると、通販の場合、翌日・当日配達を強く求める顧客の割合がそこまで高くないのであれば、わざわざ都心の人口密集地域の近くに専用の倉庫を持つ必要はないとの見方を示している▼仮にこの高騰ぶりが落ち着けば、現在の値段が高い都市部の倉庫が敬遠されることになるのは目に見えている。むしろ、少し離れた地域で省人タイプの倉庫を持つ方がトレンドになるという。資金力のある所にも限られるが、ある程度の決まりきった作業であれば自動化でき、少々煩雑であれば半自動・半手動のようなパターンでも対応できるだろう▼同社は最後に「あとは弾ける要因が何になるのかだけ。もしかすると東京五輪後にこの物流倉庫バブルが終わるのではないだろうか」との言葉を残した。五輪後の国内経済の大失速は、かねてから各分野で様々な専門家に指摘されていたところ。果たしてこの不吉な予想が現実となるのか。時間は刻一刻と迫っている。

 
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