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高まるデータの価値

2019年11月28日 13:10

 ヤフーの親会社であるZホールディングス(ZHD)とLINEの経営統合が発表された。統合に至った理由として両社の社長はグローバル展開を行うIT大手企業への危機感を口にした。中でも米中の巨大テックカンパニーの存在が大きい▼具体的にはグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの頭文字をとった米国の「GAFA」と、バイドゥ、アリババ、テンセントからなる中国勢の「BAT」だ。ZHDの川邊健太郎社長は米中の巨大勢力に対して「第3極」になると展望を述べた▼GAFAやBATといった巨大企業の大きな強みが「データ」だ。かつてIBMのCEOが「データは21世紀の石油」と語ったが、実際に各社がデータの収集に力を注いでいる▼例えばアマゾン。同社はパソコンやスマートフォンを通じて商品の閲覧や購買といった買い物データを世界中で集めている。最近では無人コンビニの「アマゾンゴー」を展開してPOSデータを収集。さらにはスマートスピーカー「アマゾンエコー」を使って家庭内の生活データまで集めにかかっている▼集めた情報を活用してユーザー別に最適な商品提案を行う。こうしたパーソナライゼーションの精度を膨大なデータが支える。通販展開において、どれだけ多くのデータを持てるかが勝負の鍵になるかもしれない。顧客データの価値はますます高くなっていきそうだ。
 
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