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化粧品各社 エコ容器で環境配慮、購買行動にプラス作用も

2011年 9月29日 10:51

081.jpg女性にとって「夢」や「憧れ」の象徴であり、高揚感の源泉となる化粧品。それだけに化粧品各社はこれまで製品の機能だけでなく、その外装に至るまでこだわってきた。だが最近、エコ容器を採用する企業が増えている。一見"トイレタリー?"とも思われがちな容器もあるが、環境への配慮に対する社会全体の機運が高まる中、容器も旧来のような重厚な作りではなく、エコを意識したものが購買行動にもむしろプラスに作用しているよう。企業の社会貢献の度合いへの共感は、製品選択の重要な要素になりつつある。

   「化粧品までお化粧する必要はない」という考えから詰め替え用容器(レフィル)を採用するオルビスは今年9月、「アクアフォース」(写真(上))で「ライフサイクルアセスメント(LCA)調査」を行った。

 聞き慣れない言葉だが、LCA調査とは原料製造過程から調達、製品の製造、廃棄に至るまでのCO2削減効果を測るもの。化粧品包材では、オルビスが初の試みだ。

 このため測定項目も製造現場における(1)工場空調、(2)製造機器本体、(3)不良品廃棄、(4)輸送時のトラック積載量など新たに定め、使用電気量とそこから換算したCO〓排出量を測った。その結果、本商品と比較してレフィルは89%の削減効果があり、アクアフォースの化粧水出荷数(昨年実績)で換算すると杉の木約13万本分の削減効果があると分かった。

 ただ、気になるのはこうした取り組みが顧客の購買行動に影響しているかという部分。オルビスによると、例年実施する顧客調査では93%の顧客がレフィルを認知し、95%の顧客が製品の魅力的特徴に挙げているという。利用状況も売り上げ比率の約7割がレフィル。本商品に比べ約200円安いレフィルは顧客の経済的メリットにもなり、企業側の利益率向上にもつながっている。
0811.jpg 花王の通販専用ブランド「オリエナ」もレフィルを採用する。スキンケアでは珍しいパウチ包装を使うオルビスに対し、花王のこだわりは"最後の一滴"まで余さず使える工夫。顧客にとって化粧品が安くはない嗜好品であると考え、エイジングケアライン「バイタルサプライ」では着実に詰め替えが行えるボトルタイプ(写真(中))を使う。

 レフィルは本商品に比べ500円安く、さらにレフィルを指定して定期コースに入ることでより安く購入できる。リピートに対するハードルを下げる意味でもプラスの効果を生んでいる。現在、約半数の顧客がレフィルを選択。今年8月に発売した育毛剤にも数百円安価なレフィルを用意する。08111.jpgのサムネール画像 ファンケルグループのアテニアでは「クラスAベーシックスキンケア」のジェル・クリーム(写真(下))に本商品より200円安いレフィルを採用。容器の底部に開いた穴から簡単にレフィルを押し出し交換できる。また、化粧水にもエコ容器を使う。

 ファンケルも09年2月、「マイルドクレンジングオイル」リニューアルに合わせて容器の重量を3分の2に削減。容器に使うPET樹脂を年間約45トン削減した。また、大半のメーク製品にレフィルを採用。レフィルにすることで顧客が好みに合わせてメークケースの色を組み替えることができ、好評を得ている。

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