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攻防・送料無料(5) ヨドバシカメラ 吉澤勉取締役

2011年 9月29日 10:36

071.jpg――「ヨドバシドットコム」の送料を6月に無料とした。効果は。

 「単価は落ちているがそこまで大きな変化はない。顧客には非常に好評で注文数は伸びている。トータルで見ればそれなりに効果が出ているということだろう」

――電池1個など、極端に単価が低い注文は増えているか。

 「あるにはあるが、思ったほど増えていない。当社の場合、単価の低い商品から高い商品まで品ぞろえにバリエーションがあるため、『試し買い』といったケースを除くと『どうせ買うなら複数商品を注文しよう』という考えが働くのではないか」

――送料無料キャンペーンを開始してから売れるようになったジャンルはあるか。

 「CDやDVDの取り扱いを大幅に強化したことが大きい。以前なら送料無料のラインに達しない単価の商品、例えばCD1枚が欲しい場合でも、躊躇(ちゅうちょ)せず注文できるようになった」

――キャンペーンを恒常化する方針を打ち出している。

 「体力の続く限り頑張りたい」

――ビックカメラやヤマダ電機、ケーズホールディングスといった家電量販店の通販サイトも送料無料で追随してきた。

 「追いかけてくるだろうとは思っていた。家電製品やソフト関連の場合、そのサイトでしか買えないものを扱っているわけではない。消費者がなにゆえそこで買うのかが問題となるわけで、そのせめぎ合いだ」

――強化しているソフトに関して、DVDやゲームソフトは値引きも重要となってくる。

 「競合が当社より安く売っているのであれば、できる限り追随したいとは思っている。同じ商品を売っている以上は当然のことだ」

――ソフト関連の売り上げ比率は今後上がっていくのか。

 「上げたいとは思っているが、CD・DVDがあまり売れない時代なのは確かだ。ただ、初めて通販を利用する場合、どこで買っても品質に差がないソフト関連は買いやすいという利点がある」

――テレビの地上アナログ放送が終了した。薄型テレビの売り上げは。

 「7月までの売り上げは好調だったが、終了後はかなり落ちている。今期の売り上げ目標となる500億円達成に向けては、下期が勝負となるだろう。送料無料や8月に開始した当日配達は、売り上げの落ち込みを抑えるための一つの手立てでもある」(聞き手は本紙記者・川西智之)

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