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有店舗アパレルの返品対応進む――UA・今期中に開始、レナウン・高額品で検証

2011年11月17日 17:58

 大手の有店舗アパレルが、自社通販サイトで返品対応への準備を進めている。ユナイテッドアローズ(UA)は今期中に返品対応を開始する計画で調整を進めているほか、レナウンも今後の対応強化に向け、キャンペーン期間を設けて検証を本格化させている。

 衣料品ネット販売の返品については、有店舗企業よりもネット販売専業が先行。上場組では、従来から対応するマガシークとスタイライフに続き、今年4月、スタートトゥデイが「ゾゾタウン」で正式にサービス化したことで、大手アパレルにも飛び火しそうだ。

 UAでは、今上期(4~9月)の通販売り上げが前年同期比17・1%増と大きく伸びた要因のひとつとして主要卸先の「ゾゾタウン」の拡大を挙げる。「ゾゾ」が返品対応を始めたことで返品数は増えたものの、それ以上に売り上げ拡大効果が確認されたため、来年3月末までに自社通販サイトでも返品受け付けをスタートする計画だ。

 UAの自社通販サイトは「ゾゾ」がフルフィル業務を請け負っているため、同社の協力を得てサービス化したい意向だ。

 一方、レナウンは自社通販サイトで返品対応に向けた検証を強化。昨年11月にアウター商品に限定した返品キャンペーンを展開したのに続き、今年11月1日からの1カ月間は冬物アイテムの投入に合わせて商品カテゴリーを限定せず、2万1000円の商品を対象に返品を受け付ける取り組みを実施している。

 同社では、全商品を対象にした返品対応を目標としつつも、アプローチを少しずつ変えながら消費者の反応や、機会ロスを生じさせない適正在庫の持ち方、物流対応などを検証していく。

 また、ワールドでは自社通販サイト開設10周年を機に、9月1日~11月30日まで「ネット通販おためしキャンペーン」を展開している。

 ネットで購入した商品のイメージやサイズ感、手持ちの商品とのコーディネートを自宅で確認できるようにするため、商品到着後1週間以内であれば返品時やサイズ交換時の送料を無料とするもので、ネット販売のハードルを低くすることで、初めてのネット利用を促している。

 企業によって取り組み状況に差こそあるが、成長領域の衣料品ネット販売市場で存在感を高めたい思いは一緒。「ゾゾ」の一人勝ちを阻止するため、直営サイトのサービスを店頭の水準に近づける取り組みが加速しそうだ。
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