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アビステ、お手頃アクセで若年層つかむ

2010年 4月22日 18:01

5kata.jpg アクセサリーや時計などの輸入販売を展開するアビステ(本社・東京都港区、長尾義人社長)は通販事業の強化に取り組んでいる。2008年4月のPC版通販サイト「アビステウェブショップ」の開設に続き、09年10月にはモバイル版も開設。実店舗とは異なる若年顧客層の獲得に乗り出した。
 同社はホテル内を中心に150以上の実店舗を抱えており、婦人向けファッションアクセサリーを販売している。通販事業の開始は二十年以上前で、テレビショッピングや紙媒体などに出品。現在の通販事業全体の売上高は、年商約60億円のうち約5~10%を占めている。
 ネット販売への進出は、顧客からの要望がきっかけだった。同社の実店舗の顧客層は、ホテル内の出店が大半ということもあり、50~70代の富裕層が中心。そのため、ファッション雑誌などで紹介された商品に興味を持った若年層顧客が、気軽に買いにいけるような店舗環境ではなかったという。そこで2年前から通販サイトを立ち上げ、アクセサリーやストラップといった「スワロフスキー」の小物のネット販売を開始した。

 一番の売れ筋商品は3000円台の動物ストラップ。同社では「実店舗では縁起物の亀やふくろう、通販サイトではかわいいクマやブタ。顧客層で売れ筋の違いがはっきりと分かれている」(業務課)と分析する。

 不況の影響で高級ジュエリーの購入を手控えた消費者が流入してきたこともあり、20代後半~40代前半の女性を中心に順調に売り上げが拡大。ネット販売のみの売上高は非公表だが前年比で10%以上増加した。品ぞろえも、当初は三百アイテム程度だったが、今では二千五百アイテム以上を取り扱うようになった。価格帯は3000円~10万円となっている。

 同社は「不況でもファッションを買いたいという独身女性は多い。当社の平均単価は一万円程度なので、今の世相の中でその欲求を満たせているのではないだろうか」(同)とする。

 ファッションに敏感な女性顧客が多いため、サイトデザインには強いこだわりを持っている。ページは白をベースにして、アンティーク調の額縁の中に商品を掲載。複数のデザイン会社と協議を重ね、簡素なテンプレートではなく、カラフルな商品を目立たせるためのデザインにしたという。

 通販サイトの顧客囲い込み策としては、会員向けの優待制度に力を入れている。サイト内のセール情報やメルマガ配信に加え、昨年末には表参道店舗でのイルミネーション見学イベントを開催。抽選で会員を招待し、一般開放していないショールームでパーティーを行なった。「普段は顔の見えなかった顧客と会えたことで、非常に距離が近づいた。昔からのファンの方と情報交換もできたので勉強になった」(同)という。

 4月末にはサイト開設2周年記念イベントを行う予定。ネット販売限定商品を企画し、ツイッターやブログなど実店舗と連動させたPRを行っていく方針。

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