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健康関連の通販企業2社 ライセンス提供で認知図る、飲料メーカーは健康イメージ活用 

2017年 3月24日 17:17

081.jpg   通販企業と飲料メーカーのコラボが増えている。昨年から今年にかけて、ファンケルヘルスサイエンスはダイドーと茶系飲料を、RIZAP(=ライザップ)はキリンビバレッジとプロテイン飲料を共同開発している。飲料メーカーは、いずれも健康関連分野の強化が狙い。国民の健康意識が高まる中、すでにその分野で強いブランドイメージを持つ通販企業とタッグを組む。通販企業は、全国に販路を持つ飲料メーカーにライセンスを提供することで、自社ブランドの認知を図っている。

 飲料メーカーは、「健康意識の喚起」など新たな価値創造に通販企業のブランド力を活かす。キリンは主力の茶系・コーヒー飲料に続く分野の開拓。ダイドーは女性層の獲得が狙いだ。

 キリンビバレッジが3月から発売するのは、「キリン ライザップ プロテインボトル」(税抜・希望小売価格150円)。軽い運動をした際に不足するタンパク質量である5000ミリグラムのプロテインを配合した。

 ターゲットにするのは、生活習慣や運動不足の改善を気にする30~40代の男性層。プロテインの摂取理由は「体を鍛える層」から「健康志向層」に広がっており、ジム通いや運動を始める前の段階の顧客層を狙う。"いつもより速く歩く"など日常生活の中で行う軽い運動のきっかけづくりにしてもらい、健康習慣のすそ野を広げながら顧客を獲得していく。

 プロテイン市場(16年)も前年比33%増の366億円に拡大する見込み(インテージ調べ)。ウェブ動画を中心にしたプロモーションを行い、年間40万ケースの販売を目指す。

 ダイドーも昨年11月、ファンケルヘルスサイエンスの「大人のカロリミット」ブランドを使った茶系飲料「大人のカロリミット はとむぎブレンド茶」(機能性表示食品)を発売。ダイドーの主要顧客層が男性であるため、新商品で40代以降の女性の獲得を進めている。

 ライザップは、自社で販売せず、ライセンスを提供する。キリンの持つ販路を活かし、自社ブランドの知名度を高めていく。これまでもファミリーマートやピザハットと低糖質商品を共同開発しており、「健康習慣の定着に向け考えが一致するところがあれば今後も積極的にコラボレーションを行っていきたい」(中崎聡志企業広報専任担当)と話す。

 ファンケルの場合もライセンス契約。カロリミットの認知向上を図るのが狙いだ。ファンケルが、他社にライセンスの提供を行ったのはこの時が初めて。これまでも発芽玄米や青汁の原料を他社に供給したり、商品の共同開発を行うケースはあった。

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