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「ディノス」 家具のレンタル事業を開始、年間30億円の売り上げ見込む

2017年10月 5日 10:48

 5-1.jpgディノス・セシールは10月2日から、家具のレンタルサービスを開始した。ディノス事業で販売する家具を対象に、販売価格の15%分の申込金と毎月3・5%分のレンタル料を徴収して希望者に最大3年間、当該家具を貸し出すもの。レンタル期間が2年を越えた顧客は追加金なしにそのまま購入するか、申込金の返却を受けた上でレンタルをやめるかを選択できる仕組み。同社ではレンタルという形で高額な費用など家具購入の際の敷居を下げ、新規顧客獲得と家具の売上高拡大を狙う考え。3年後に同事業で年間30億円の売上高を見込む。

 同社が開始した家具・インテリアのレンタルサービス「flect(フレクト)」は東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬の1都6県の在住者向けにディノス事業で展開する家具カタログ「ハウススタイリング」で販売する商品の中から、1万2852円から32万2920円までのソファやチェア、テーブル、ベッド、チェストなど約200点を対象として、同社通販サイト内に設けた専用ページ(=画像)から顧客が希望する商品の新品を対象商品の販売価格が合計10万円以上から貸し出すもの。なお、1回で貸し出す商品数に制限は設けていない。

 申込時に顧客から申込金(商品価格の15%分)と、初回の月額利用料(同3・5%分)を徴収する仕組み。例えば2点合計で販売価格が税込27万540円の「総革張りコンパクトソファ座って左肘セット」と「総革張りオットマン」をレンタルする場合、申込金として販売価格の総額の15%分となる4万1310円と、月額利用料は同3・5%分の9639円の合計5万949円を徴収する。

 レンタル期間は最大36カ月だが、月額利用料を徴収するのは24カ月間のみ(※顧客がレンタル中に2カ月前までに専用サイトで手続きすれば途中解約にも応じる。ただ、申込金は返却しない)。2年の有料レンタル期間超過後の1年間の無料レンタル期間中に顧客には追加料金なしにレンタル中の商品を「購入」するか、初回に徴収した申込金(商品返却送料などを差し引いた分)を返した上で、商品を「返却」するかを選択させる。なお、購入した場合、通常購入する価格の99%(申込金15%と2年間の月額利用料84%の合計)となり、実質1%分、割り引いて販売することになる。また、返却された家具については分解して部品を再利用したり、中古品として販売することなどを検討しているという。

 「フレクト」の利用者は通常、徴収する送料のほか、有料サービスの開梱設置料、組立サービス料を無料とする。無料特典はキャンペーンとしているが期間は設けておらず、当面、継続するとしている。

 同社がレンタル事業を手掛けるのは初めて。「"ディノス"の家具に興味があったとしても家具は価格が高いものも多く、購入を迷うお客様も多いはず。初期費用を抑えつつ、実際に使ってもらいながら、商品の良さや特徴を確かめていただき購入を検討してもらいたい。また、最終的に購入か返却かを選べるため、転勤やライフステージの変化に備えて、購入を前提としない利用シーンもあると思う。申し込みから貸し出しと決済(クレジットカード決済のみ)、買取や返却まですべて専用サイトでオンラインで完結できるようにして利便性を高めており、手軽に使って頂きたい」(同社)としており、比較的、高額な家具の購入を後押しして、家具の新規顧客の獲得を図る狙いのほか、家具について購入を前提とせず、デザイン性や品質にこだわったものを安価に使いたいニーズや転勤などに備え、家具はレンタルで済ませたいという層に向けて、ネット上ですべて完結のできるレンタルサービスを展開することで利用を促し、新たな収益源としたい考えのようだ。

 まずは既存顧客に自社サイトやメルマガ、DM等で告知して利用者を増やすほか、新規顧客獲得に向けてテレビCMなども検討しているようだ。レンタル対象商品も今後は欧州を中心としたインポート家具を扱う「ハウススタイリング」の商品だけでなく、国産の和家具など他の商品も順次、追加していく考え。3年後には「フレクト」単独で年間30億円を売り上げを見込み、家具事業の一翼を担う事業まで拡大させたい考えだ。

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