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大幅減収からの建て直し戦略 ムラウチドットコム、オール電化関連を強化

2010年10月10日 21:00

薄型テレビの需要減見越す

 09年3月期に売上高100億円を突破した、家電ネット販売のムラウチドットコム(本社・東京都八王子市、村内伸弘社長)。08年は通販サイト開設から10周年を迎えたこともあり、売れ筋商品の価格訴求力を高めたことが功を奏し、二桁の増収となった。
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 しかし10年3月期は状況が一転。売上高は前期比17・3%減の84億2300万円と二桁減だった。同社の矢澤克哲取締役は「不況の影響が大きかった」と前期を振り返る。客数自体は前々期と変わらないものの、平均単価が3000円減少。消費マインドの冷え込みを如実に示す結果となった。

 メーンの商品カテゴリーが軒並み前年割れだった。パソコンは企業からの注文が減少したことで、「価格が大きく崩れ、収益性が悪化した」(矢澤取締役)。エコポイント関連商品では、冷蔵庫・エアコンは比較的好調だったものの、薄型テレビが苦戦した。

 当初、10年3月期は前期比8・1%増の110億円を見込んでいたが、「途中から規模の拡大は追わず、収益を確保する方針に変更し、発送にかかる業務委託やオペレーションなども年商80億円に見合った規模にした」(矢澤取締役)という。商品的には、比較的利益率の高いスポーツ用品、日用品を増やしたことで、単価は下がったものの、収益は確保できたという。

 11年3月期は、消費マインドがやや回復傾向にあることから、売上高は前期比4・5%の88億円を予想している。11年7月のアナログテレビ終了で、薄型テレビの需要が減ることを見越し、今期はIHクッキングヒーターの取り扱いを強化。工事費もセットとしたものだが、「オール家電関連の需要は高まってきており、反応は良い」(同)という。

 また配送関連では自動化を進めることで、受注から発送までのリードタイムを、これまでの最短1時間から30分に短縮する計画だ。矢澤取締役は「急回復を目指すのではなく、徐々に年商100億円に戻していきたい」と話す。


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