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日本生協連、「くらしと生協」サイト刷新 使い勝手の向上に注力

2010年11月11日 13:51

 日本生活協同組合連合会(日生協)は、通販事業でネット販売の取り組みを積極化させている。この一環として9月に「くらしと生協」の通販サイトをリニューアルし、商品の見せ方の変更や検索性などの使い勝手向上を図るほか、ネット限定のコンテンツや商品も厚くした。これまでカタログの補完的な位置付けだったネット販売の分野を強化することで、子育て世代に当たる若い層の新規組合員獲得につなげる。




 日生協では2005年1月に衣料品や家具、雑貨などを扱う「くらしと生協」の通販サイトを開設。だが、カタログをメーンとしてきた関係で、商品の見せ方やコンテンツ、商品提案手法などネットならではの機能を活用した利便性を打ち出せていなかったことから、30代を中心とした若年層の利用が少ないという状況になっていた。

 今回の通販サイトリニューアルは、若年層組合員の利用拡大を狙ったもので、ベースとなる使い勝手の部分を強化し、ひとつの商品の画像を大きく見せる形にしたほか、ネットの双方向性を活かした仕掛けとして、組合員と共同開発する商品の開発過程が閲覧できるコンテンツを新たに導入。「年代別の商品提案が十分にできていなかった」(通販本部カタログ事業部インターネットグループ)点についても、組合員による商品レコメンド機能を付加し課題の解消を図った。ワイシャツ等に刺繍するイニシャルの指定やカーテン等の細かなサイズ指定をネットで行える機能や、まとめ買いの割引機能なども付加した。

 一方、ネット限定商品を強化し、子育て世代向けのネット専門店としてベビー・マタニティー用品を扱う「ハッピーベビー」、絵本やおもちゃを扱う「えほんとおもちゃ」を開設。前者では、子供の肌着やパジャマ、タオルなどを扱うが、現状「キャラクターものや機能性を持たせたパーカーなどマタニティー商品が売れ筋」(同)という。

 絵本については、以前から根強い売れ筋商品となっていたが、今回の専門店はセレクトショップと位置付け、MDが推奨商品を提案する形で展開。また、子供の年齢やジャンル、作家、価格など様々な切り口で商品を検索できるようにした。

 このほかに、モバイル通販サイトも開設。商品画像はなく、カタログに掲載された注文番号を入力する、いわば受注端末的な機能にとどめているが、今後の利用動向を見た上で機能の拡充を検討していく考えだ。

 サイトリニューアル後の利用状況も順調に推移しており、10月最終週の受注件数が前年同期比33%増だったほか、スタート時、1日およそ30件だった商品レビューの投稿も、現在では1日50件程度にまで拡大。他の組合員からレビューが参考になったとの書き込みもあるなど、「導線として機能しており、回遊性も高まった」(同)という。

  「くらしと生協」ネット販売の概要としては、対応生協数が約90生協(うちモバイル対応は約20生協)、同サイトの登録組合員数は約47万人。日生協は今後、ネット販売対応の生協拡大やカタログでの訴求強化などで「くらしと生協」ネット販売の利用拡大と若年層新規組合員の獲得を進める考え。今年度のネット販売供給高も前年比倍増の30億円を目指す。
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