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パルシステム カタログ戦略見直し 〝働く母〟テーマに出産から入学まで対応

2009年10月28日 19:35

 パルシステム生活協同組合連合会は2010年メドに、小さな子どもを持つ母親向けカタログの見直しを図る。競争の激化で新規客獲得が苦戦しているほか、乳幼児期以降の情報が不足などで顧客の離脱を招いていた。そのため、紙面上のテーマを乳幼児から母親に変更し、第1子の出産から小学校入学前までの食生活をカバーする品ぞろえを提案する。生活様式の多様化を意識したレシピ内容なども充実していく計画。子育てをテーマにしたコミュニティサイトを本格化し、ライフタイムバリューの向上につなげる考え。

 パルシステムでは乳幼児を持つ母親向けに「YUMYUM(ヤムヤム)」を展開。これを入り口として子どもの成長に合わせて、食べ盛りの小学生を持つ家庭向けに「mykitchen」を、義務教育終了後の中高年夫婦向けに「Kinari」を提案している。

 食品宅配市場では、食への関心が高まる第1子出産時を新規客獲得の好機とし、事業者間の競争が激化。パルシステムが展開する「YUMYUM」においても、08年度の受注人数は横ばいと伸び悩んでいた。また、「食べ盛り」を意識した次ステージのカタログとの食事のボリュームのギャップが大きく、幼児期への成長タイミングに合わず離脱してしまうユーザーがいた。

 2010年に実施する「YUMYUM」の見直しでは、次ステージへの移行率を高めるため、子どもの成長範囲を「赤ちゃん」から「小学校入学前まで」とステージを拡大し、食べ盛りの子どもを意識した「my kitchen」とのギャップを埋める考え。

 強化するのはライフスタイルに合わせたレシピの提案。働く母親をターゲットとし、忙しい平日に向けて短時間で調理できるレシピ「特急ごはん」や加工食品を紹介。また、休日向けメニューとしてレシピと食材を掲載する。家事と仕事の両立をテーマに、料理の知識や技術を習得できる内容とする。

 品ぞろえについては大人向けの食材を強化。イタリアンやエスニックなどの加工品を強化するほか、家族構成や食卓シーンの違いに対応しやすいブロック肉などの食材を充実していく。定番商品についても掲載枠を増やし、受注の取りこぼしを防ぐ考え。

 ネットでは、SNSサイト「YUMYUM CLUB」を本格化する。現状では乳幼児を持つ母親600人参加し、会員同士の意見交換やアンケートや商品モニターの協力を促してきた。10月下旬からは商品開発プロセスを公開するほか、サンプル販売を通じて商品モニター調査などを実施し、顧客の囲い込みにつなげる。

 

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