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イングリウッド「三ツ星ファーム」 ブランド刷新へ、「高付加価値の日常食」提供

2024年 4月 4日 12:00

 イングリウッドの冷凍食品のサブスク「三ツ星ファーム」は3月22日、ブランドイメージを刷新した。事業開始から約3年が経過し品揃えが増えたことに伴って、提供価値を「高付加価値の日常食」に見直した。また、顧客の意見を生かした商品開発を通じ、多様化するニーズに対応していく。

 








 ブランドコンセプトは「毎日のごはんに感動を」とした。冷凍弁当だけでなく、ピザなどの冷凍食品やミールキット、スイーツなどを展開し日常の食事を届けるブランドとして定義した。食を通じて感動を生むことを目指していく。

 ブランド刷新に伴い、飯豊まりえさんを起用したブランドムービー「おいしさの数だけ思い出がある」篇を制作した。内容は春夏秋冬のシーンの中で飯豊さんが商品を食べ、食べたらおいしさの象徴である「三ツ星マーク」が頭上に登場するストーリーとなっている。日常的にある、暮らしに溶け込んだ商品であることをアピールする考え。
 飯豊さんは多くのドラマや映画などに出演している。自然体の魅力が、ブランドイメージと合致していることから起用した。

 今後、ウェブなどの広告でも起用していく。テレビCMなども検討していきたい考え。

独自基準なくし顧客と商品開発

 アクティブの定期顧客数は5万人で、売上高は4倍に伸長。顧客層は女性が60%を占めるが、年齢層は30~40代を中心に20~60代以上と幅広い。累計販売食数は2月に1000万食を突破した。

 これを受けて、顧客ニーズに対応した新商品を投入する。これまで料理人が監修し、管理栄養士などの専門家によるレシピで、カロリーやたんぱく質量、糖質の基準値を設けた低糖質おかずを展開していた。独自基準による制限を撤廃した新商品を投入し、ターゲット層や利用シーンの拡大を目指す。

 2月からタンパク質を豊富に摂れる「タンパク質たっぷりメニュー」3品目を、3月18日から炭水化物の制限がなく1食で栄養バランスに配慮した「お子様向けメニュー」3品目を投入した。

 4月からは炭水化物やカロリー制限を撤廃したボリュームのある「メガ盛りメニュー」2品目を発売する予定。普段の商品では足りないと感じる成人男性の需要に対応する。

 また、新商品「救世主ごはん」シリーズのテスト販売を4月、始める。顧客向けアンケートで分かった「自炊が面倒」「忙しい日も栄養バランスの取れたごはんが食べたい」といったニーズに応える。湯煎やレンジによる加熱で完成する冷凍おかず8品を展開。アレンジが可能で、ランチや弁当など幅広いシーンでの利用を見込む。

 新商品「ピリ辛やみつき和風ヤンニョムチキン丼の具」は、湯煎で温め、温かいご飯の上に乗せるだけで完成する。

記憶に残る食を提供、価値を明確に具現化

<本間ブランドマネージャーに聞く>

 イングリウッドの食のD2C「三ツ星ファーム」は事業を強化する。3月25日に開催した新商品試食会で、ライセンスPB事業部三ツ星ファームブランドマネージャーの本間悠也氏に戦略を聞いた。

 ――ブランドビジョンを明確化した。

 「開始から約3年間、ビジョンは明確にせず改善しながら事業を強化してきた。顧客が大事にしている『日常食』『高付加価値』『食事の楽しさ』を提供価値として明確化した」

――価値をどう伝えるか。

 「今の既存顧客には明確に具現化している。商品を深く考えて設計し、接点があるから体験できる食事の楽しさや記憶に残る食を提供する。商品をただ送るのではなく、季節に応じたプレゼントを同梱するといった施策がその一つだ。利用期間の長い顧客には特典を用意し、新商品をいち早く試せる機会を設けている。今後は現状では開拓できていない、ニーズが顕在化していない層に向けて、ブランディングや認知向上の施策をすすめる」 

 ――独自の栄養基準を設け、商品展開に制限があった。

 「価値をシャープにすることで、商品特徴をわかりやすくし、顧客の期待値を高めた。着実に顧客数が増えてニーズが多様化し、一定浸透した今、独自基準が足かせになりかねない。基準を生かしながら、いかにターゲットを広げられるか考えていく」

――具体的には。

 「ターゲット層を広げ、利用シーンを増やす。『冷凍弁当』の利用顧客に他の商品を使ってもらうことで利用シーンを広げたい。顧客に飽きられないように進めていく」

 ――アクティブな定期顧客は5万人だ。増えた理由は。

 「初回購入者向けに、割引価格で訴求している。新規顧客を獲得する媒体を幅広く持っていることが強みだ。インスタなどのSNSだけでなく、テレビや新聞なども活用し、電話での受注も行う。リピートに重要な商品力の強化にもしっかりと投資してきた」

 
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