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サンギ 通販事業復活へ、10月からネット販売開始

2009年11月20日 11:44

021.jpg 薬用「ハイドロキシアパタイト」配合の美白系の歯磨き商品「アパガード」などオーラルケア商品の開発・製造を手掛けるサンギは今期、通販事業の再強化に取り組んでいる。これまで美白機能訴求型の高級練り歯磨きを中心にダイレクトメール(DM)を使った通販を行ってきたが、10月6日に自社通販サイトを開設。店販商品も含めた全商品(OEM商品除く)を購入できるようにした。同社は、通販から店販に事業領域を広げてきた経緯があるが、利用の拡大が進むネット販売への対応を図ることで新たな顧客の開拓ルートを構築する考えだ。

 「芸能人は歯が命」。タレントの東幹久さんと高岡早紀さんを起用し、テレビCMで知名度を上げ、ドラッグストア等でも商品を展開する同社だが、もともとは通販をメーンとしてきたことは意外に知られていない。

  同社が通販を本格的に開始したのは、「アパガード」シリーズを発売した1985年頃で、店販での展開を積極化し始めたのは先述のテレビCMを投入した95年頃からになる。

  それまで通販で展開していたのは、「アパガード」シリーズの最上位商品「アパガードロイヤル」と健康飲料の「おから茶」。新聞や雑誌などの紙媒体で新規顧客を獲得する手法で売り上げを伸ばし、ピーク時で7億円を売り上げていた。メーンの客層は50代女性。この層は一度商品の良さが分ければ、ブランドチェンジをしにくいが、同社でも「商品に対するロイヤルティが高い顧客が多い」(コンシューマー事業本部事業戦略部)という。

  自社の特徴を反映した独自性の高い商品を持ち、強固な顧客基盤も有する。こうした点では、メーカー通販の基本的な成功の条件を揃えていた同社だが、店販へ本格参入して以降は、広告出稿を抑えたことなどもあり、通販事業は失速。前期(08年3月期)の通販売上高は5,000万円程度(全社売上高は約27億円)となっていた。

  こうした状況を踏まえ同社は、今期から通販事業の取り組みを積極化。この一環として、ネット販売に乗り出した形だ。

  今回のネット販売で主眼としているのは、まず、これまで疎かになっていた新規顧客の獲得だ。  10月に開設したサイトでは、店販商品も含む同社の全商品を販売。これには、店販チャネル(全国約2万店)の補完の意味合いもあるが、特にネットとの親和性がある若年層顧客の開拓につなげたい考え。このほかに、今期に入ってから週刊誌への広告出稿も再開。「そこそこレスポンスが取れている」(同)という。

  通販事業の復活に乗り出したサンギ。現状、ネット販売の専任部署は設けておらず、受注業務なども外部に委託している形だが、業容拡大に合わせ、体制の強化を図っていくものと見られる。その足掛かりとして、今期は通販売上高1億円を目指す。
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