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アマゾンの活用術・GDO、若年層の顧客開拓に寄与、自動化図り人的ミスを防止

2013年 4月26日 18:25

5-2.jpgゴルフダイジェスト・オンライン(GDO=本社・東京都港区、石坂信也社長)は顧客層の拡大を目的に事業者に販売プラットフォームを提供する「Amazon.co.jp(アマゾン)」のマーケットプレイスを活用。運営の自動化も進めることで作業負担を抑え、自前の通販サイトに専念しながら売り場を広げることができている。

 同社によると、近年のゴルフ用品市場は業界全体で価格競争が激化し、特にクラブなどの単価が下がっているという。実店舗では試し打ちをしながら店員とその場で価格交渉できる場合もあるが、ネットではそういったサービスが難しく、表示価格は下げざるを得ない状況にある。

 その一方で売れ筋商品に大きな変化はなく、クラブではドライバーのシェアが依然として高く、昨年ごろからは有名ブランドのフェアウェイウッド、ウェッジウッドなどが伸びている。「フェアウェイウッドの場合『3番を買ったら5番も』というようにまとめ買いが多いので単価が上がりシェアも広がっている」(GDO)とする。

 同社がアマゾンを利用し始めたのは2009年。当時は自社サイトのほか「ヤフー!ショッピング」にも出店していたが、更なる販売チャネルの拡大や知名度の向上を図る狙いがあったという。自前の物流機能があるため、アマゾン店舗については、アマゾンの物流代行サービス「フルフィルメント by Amazon」は利用せず、注文から決済までの仕組みを活用している。

 アマゾン出店で大きな変化があったのは顧客の年齢層。同社は創設当初の10年前は30~40代がメーン顧客だったが現在では40~50代が中心となり、若年層顧客の開拓が課題の一つでもあった。自社通販サイトでは比較的"玄人好みの商材"が売れることが多かったが、アマゾン店舗ではゴルフに特化はしていないが若年層に認知されているブランドなどが好調に推移。これまでに比較的少なかった客層が入っていることが分かった。「アマゾン出店を機会に、若い顧客が増えている感触はある。確実に客層は広がっている」(同)と分析する。

 またアマゾン店舗では自社サイトや他社サイトと比較してウェア販売の構成比が高く平均単価はやや低い。同社ではこの購入単価を積極的に引き上げるよりも、顧客の傾向がはっきりしていることを利用して、特価品ウェアなどの販売を強化。チャネルごとにマッチした戦略をとっている。

「AMTU」活用で売り越し防ぐ

 同社はアマゾン出店当初から、在庫連携、商品の出品、受注管理、価格更新などについて自動化を採用。専用の人員などは配置していないという。「人的ミスを防ぐことが目的。商品点数が多いので人の手が入るとミスが生じやすい。自動化にすることで商品数をいくら増やしても対応できる」(同)とする。

 さらに、注文管理に関してはアマゾンが無料で提供しているファイル転送ツール「AMTU」を使い、アマゾンで作成された注文レポートを15分間隔で自動的に取り込んでいる。また、商品出品時の自動化にも使用しており「自社側に『AMTU』プログラムをインストールして動作するので出品時のエラーのログが非常に取りやすく、後で解析しやすい」とそのメリットを説明する。同社のネット販売の在庫は全チャネル共有のため、自社サイトなどで先に売れた商品はアマゾン店舗ではキャンセルせざるを得なくなってしまう。そこで「AMTU」を利用し、短い間隔でレポートを取り込むことで在庫対応して売り越しを防いでいるのだ。

 今後も同社では自動化の範囲を広げていく考えで、中古商品などとの在庫連携も検討している。

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