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ヤフーショッピング無料の影響は?㊦―2  100のサービスで"導線作り"を

2013年11月 7日 10:30

ozawa.jpg──「無料化」後の「ヤフーショッピング」の既存出店者の反応は。
 
 「料金面に関してはこれまで有料だったものが、無料となるわけなので不満などは出ていない。ただ、今回の無料化および自由化などの戦略変更は、"買い手"にとってはメリットがすぐさま出てくるものではないため、『単に競争が激しくなるだけではないのか』『(買い手の)集客はどうするのか?』『とにかく売れるようにして欲しい』というような質問や要望は出店者から今まで以上に頂いている」
 
──そうした質問や要望にどう答えていくのか。
 
 「集客面に関しては(10月7日の出店者向けイベントで)一部、お伝えした通り、ヤフーの各種サービスを活用し強化していく。例えば『ヤフー知恵袋』では"知恵袋"における商品や買い物に関する質問に関係する商品を『ヤフーショッピング』の中の商品から自動的に選び、『知恵袋』のサイト上で当該商品を閲覧できる形とするなどだ。これは11月中に実施できるよう調整中だ。あとは今でもテスト的に行っているが、『ヤフー検索』と連携させ、あるキーワード、例えば『デジタルカメラ』の検索結果画面に"ヤフーショッピング"でのデジタルカメラの売れ筋ランキングを表示させるなどだ。つまり、『ヤフーショッピング』で売って頂くほど"ヤフー検索"のコンテンツとしてその商品が露出され、SEO的にもメリットが出てくると思う。ヤフーには100以上のサービスがあり、"知恵袋"や"検索"と同様、それぞれでショッピングへの導線を作り続けていこうと思っている」
 
──店舗数や商品数が増えてくるとヤフーショッピング内での露出や集客策もより重要となってくる。現状、ヤフーショッピング内の広告商品は少ないが今後の予定は。
 
 「今回の戦略変更で『我々のビジネスは広告』と言い切っていることもあり、広告商品の種類は増やしてはいく。ただ、現時点で広告商品を多く作り販売しても、出店者の役にあまり立てない可能性もある。広告を売る前にするべきことがあると思っている。集客面でも機能面でもまだまだ弱いわけで、これらについて我々のリソースを最大限活用して、また身銭を切って最大化した上で、『ヤフーでもっと売りたい』と出店者に感じて頂いてから、という順番かなと思う。つまり、広告の販売については今年度はさほど積極的にならないかと思う。ただ、もちろん、『ヤフーショッピング』で早期に売上高を拡大したいという店舗のニーズには最大限、答えたい。今の枠組み、広告商品の中で広告枠の設定などできる限りの新商品開発はやっていきたい」
 
──今回の戦略変更による「自由化」で広告の費用対効果の可視化についても期待されているようだ。現状、競合の仮想モールでも広告効果はブラックボックスだが、「ヤフーショッピング」ではどう考えるのか。
 
 「検討中だ。これはヤフー全体の話になる。そうした期待にどこまでお答えできるか。少なくとも今年度は現状の延長線上でいくが、来年度以降の広告戦略の中で検討していきたい」
 
──「ヤフーショッピング」内での集客と言えば商品検索とその対策が1つのポイントとなると思う。今夏から検索結果がデフォルトでは以前の「おすすめ順(キーワード適合順)」から「売れている順」となった。これは来年1月までの試験運用とアナウンスされているが、今後は。
 
 「これは数字(売上高)を見ながら考えていく。現状で言うと、『キーワード適合順』よりも『売れている順』の方が数字がよい。特定の強い商品を作り、戦略的な価格を付け、一気に売り上げを増やし検索結果上位に持っていくなど上手に集客に『商品検索』を活用されているところも出てきており、結果を出されているようだ。これまでの『キーワード適合順』でしっかり対策をされていた店舗などからは様々な意見があることはよくよく認識しているが、最終的な判断基準はやはり『買い手にどれくらいクリック頂き、それが実販売に結びついているかどうか』だ。その数字が逆転しない限りは我々としては、このままの形(「売れている順」)で来年もいこうと思う」
 
──既存出店者の直近の「ヤフーショッピング」への興味は年末のセールだ。今年は過去最大規模で行うとのことだが概要は。また、最大規模にふさわしく、テレビCMや交通広告などを使ったPR策などはするのか。
 
 「内容は現在、あまりお話できることはないが、従来までのセール企画の延長線上と新規に実施するものとの組合せになると思う。出店者には詳細が決まり次第、案内させて頂く。(PR策は)12月15日をメドに盛り上げていきたい。他媒体(テレビや交通広告など)の活用については現在検討中だが、基本はヤフーという月間7000万人が利用するサービス全体をフル活用して、『ヤフオク!』と『ヤフーショッピング』にトラフィックを流し込んでいこうと考えている」  (つづく、㊦-1はこちら

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