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えがお ダイエット広告見直す 「あくまで自主的」行政指導は否定

2015年 6月11日 10:03

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健康食品通販大手のえがおが通販する黒酢シリーズの広告を見直した。景品表示法の優良誤認にあたる恐れがあるなど一部に不適切な表現が見つかったため。自社通販サイトに表示を訂正したことを説明するお詫び文を掲載。行政指導ではなく、「あくまで自主的に見直したもの」(同社)としている。消費者庁で食品の表示監視を行う食品表示対策室は、「行政指導があったか、なかったかを含めて答えられない」としている。

 一般的に企業が広告表現の変更を消費者に向けて告知することは考えにくい。ただ、えがおは「(不適切であるため)企業姿勢として適切に伝えていこうと判断した」とする。

 問題となったのは、「えがおの黒酢」をはじめとする黒酢シリーズの広告表示。商品に含まれるアミノ酸がダイエットに働きかけるような表示を行っていたが、「運動することなく飲むことで痩せられるかのように受け取れる表現があった」(同)という。このため、景表法上の優良誤認に抵触する恐れがあると判断したとみられる。

 ただ、表現の変更はあくまで自主的なものだとしている。えがおでは、ダイエット訴求の健康食品を巡り景表法による処分が相次ぐ状況を受け、今年に入り「コンプライアンス室」を社内に設置。「全商品の広告表現を見直す中で、『黒酢シリーズ』の広告表現に伝えたいことと異なる表現が見つかったので見直した」(同)としている。黒酢以外の商品の広告表現は変えていない。

 表現を改善したのは5月下旬ごろ。対象は、自社通販サイトとバナー広告で、「(バナー広告は)表示サイズが小さいため説明しきれていなかった」(同)という。ほかにテレビCMや新聞、折込チラシでも「えがおの黒酢」の広告を展開するが、これら媒体の広告表現は変更する必要がないと判断した。

 自主的な変更とあって広告を自粛する必要性もないため、現在も通常通り広告を行っている。訴求力に影響を及ぼす表現の変更でもないとして業績への影響もないとする。

 サイトに表示したお詫び文(画像)では「広告表現の一部に消費者の皆様に不適切だと思われる表示をしておりました。広告表示を訂正し、謹んでお詫び申し上げます」などと説明している。
 ダイエット訴求の健食を巡っては今年5月、DJM企業グループの全日本通販が消費者庁の措置命令を受けている。2013年以降、ダイエット関連の措置命令は7件に及んでおり、処分が続く状況に消費者庁は苛立ちを募らせている。7件目の処分に及び、食品表示対策室の三上伸治室長は、「これまでの(措置命令の)流れで(ダイエット健食の表示の注意点について)十分理解されていると思ったが、理解されていない」など話していた。

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