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爽快ドラッグ、今期連結売上高320億円へ

2015年 6月18日 17:16

021.jpg 「前年度に"足踏み"をした分、今期はそれをしっかりと取り戻していく」。

 住友商事のグループ企業で、日用品や健康関連商品のネット販売を行う爽快ドラッグは今期(2016年3月期)の連結売上高目標として、前年比24・2%増の320億円を掲げる。

 前期(2015年3月)の連結売上高は257億6000万円で着地。昨年4月にベビー関連商品のネット販売を行うあかちゃんハウス一二三を買収、子会社化したため、当期から連結決算となり、爽快ドラッグ単体の売上額である前年決算との単純比較は難しいものの、期初予想では売上高300億円を見込んでいたため、目標には未達だったこと自体は間違いない。

 なお、爽快ドラッグおよびあかちゃんハウス一二三の単体の売上高は本誌推定でそれぞれ前年比約7%増の209億円、48億円(前々期は買収に伴う決算期変更による変則決算のため、前年比は算出できない)程度となった模様だ。

 期初の目標である連結売上高の300億円に届かなかった理由の1つには規模拡大に物流が追い付けなかったことにあるようだ。

 前期はあかちゃんハウス一二三も苦戦。昨年4月の消費税増税を前にした凄まじい駆け込み需要により、ベビー関連用品のメーカー在庫はなくなり、主力の商品の欠品が続いたようだ。「我々もメーカーさんも駆け込み需要を見誤っていた。4月の段階でメーカーの流通在庫がゼロとなり、まずは店頭を優先して商品を回されたため、我々は4~6月まで品薄状態が続くことになり、売り逃しが発生してしまった」(小森社長)ことで上期に大きく売り上げを落とし、下期に巻き返しを図ったものの、カバーしきれなかった模様だ。

 このあかちゃんハウス一二三の苦戦も目標未達の1つの要因であることは間違いないが、やはり、大きいのは主力の爽快ドラッグにおける伸び悩みだ。それには様々な理由があるが、主因は「物流への投資が後手後手に回ったこと」(同)だという。

 同社は年々、2桁増で売り上げを伸ばし続けてきた。特に前々期は消費増税前の駆け込み需要や出店する仮想モールのセール効果などで3割近い増収となっており、物流のキャパシティは限界が近づいていたようだ。これまでは大阪の基幹物流センターをメーンに活用してきたが、規模的な関係で在庫できる商品に限りがあり、在庫のない商品の場合、取り寄せのため顧客へ商品を届けるまでに時間がかかるという問題も出てきていた。「予想以上に受注が来て、メーカーの皆様などから様々な提案や商談を頂いているにも関わらず、それになかなか対応できないという状態が続いた。実はこれが消費増税よりも(伸び悩みの)大きな影響受けた」(同)という。

 昨年9月下旬には神奈川県相模原市に物流センターを新設。同センターの稼働により、年商400~500億円規模に対応する体制を整備し、物流面の課題をある程度、解消でき、品ぞろえも増やし始め、期末で前期末比約1・5万点増の15万5000点まで販売数を拡充できた。

 また、遅れていた多店舗出店施策もスタート。昨年11月には仮想モール「ポンパレモール」に出店。また、仮想モールでの専門店の多店化にも取り組んでおり、以前から「ヤフーショッピング」「楽天市場」で展開するペット関連商品のペット店に加え、8月中旬に飲料のドリンク店(=画像)を開設するなどし、下期は大きく巻き返したが、上期までの伸び悩みが響き、目標には届かなかったようだ。

 「今期は出足も順調。年率25%成長の巡航速度に戻す」(小森社長)とし、今期は2桁増を目指す考えだ。(つづきは「通販新聞」本紙にて→購読はこちら
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