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ベクトル ブランド古着通販が好調、買取サイト刷新で取扱量拡大

2016年 9月23日 16:50

051.jpg 中古品の買い取りや販売を手がけているベクトルは、主にブランド衣服や服飾雑貨などを取り扱い、実店舗とネットを組み合わせた買い取りから販売までのスキームを確立することで年々事業規模を拡大させている。

 自社通販サイト「ベクトルパーク」(画像)や仮想モール店舗において、在庫数50万点超となるブランド古着・中古アイテムを扱う同社では、事業の根幹となる買い取り商品の確保に関して全国94店舗(9月22日現在)で展開する実店舗と買い取り専用サイトの「フクウロ」を中心に実施している。

 買取査定に訪れる顧客の大半は「店舗の看板を見て」というケースだが、既存顧客では同社が送付する定期DMを契機とした来店も多い。DMでは季節やその時々のニーズに応じて特に買い取りを求めているアイテムの出品を促す内容にして、時には買い取り金額でのインセンティブも付与している。特別に細かなセグメントによるDMの出し分けではないものの、来店時にDMを持参する顧客が10%程度いるなど効率的な集客ができているという。「ネットで全国を相手に売れるという担保があるので、実店舗では接客の時間が取れるし(買い取り価格に)高い値段が付けやすい。明確な出口戦略をもっているので入口できちんと対応できる」(同社)と分析している。

 また、買い取りサイトに関しては昨年夏ごろにブランディングも含めて大幅に内容を刷新。以前は「ベクトル買い取りサービス」として運営していたものを、サイトコンセプトを明確に打ち出すため「フクウロ(=服売ろ)」に改名し、専用のキャラクターも起用して主力顧客層である女性などに訴求していった。特に初めて服を売る人に対しては、ページ数を増やして同サービスの利用方法やこれまでの買い取り実績などを詳細に説明していったことで利用ハードルを下げることができたようだ。

 結果的にサイト刷新前と比べて、買い取り件数ベースでは約5倍に拡大。現在も伸長し続けており、それを受けて岡山県内にある買い取りや査定、出品を行う物流拠点も以前の330平方メートルから約5倍に拡張した。

 今期については8月25日より、「フクウロ」で優良顧客向けのVIP会員サービスを開始。専用カードを発行して、印字されたQRコードと専用ナンバーを使って査定依頼した顧客に対しては、通常時よりも高額な買い取りやプレゼントを付与するなど囲い込みを図っている。

 そのほかにも、9月には古着に関する専門的な知識や情報を発信するファッションオウンドメディア「wear WAYS NEWS」を開設。古着のヘビーユーザーや初心者に向けて幅広く情報を発信して、時には企業や個人からの寄稿、ファッションモデルなどの著名人もライターとして参加していくという。

 なお、同社の昨年度の古着ネット販売事業での流通総額は前年比30%増の約40億円。今期についても同様の伸び率を見込んでおり、今後3年間で100億円まで拡大させることを目指している。流通総額の底上げに向けて、まずは買い取り拠点となる実店舗数の拡充を進める考えで、中長期的に現在の約2倍となる200店舗を展開し、買い取りアイテム数でも5倍以上に増やすことを目指す。ネットでの販売チャネルについても今年中に新たに2サイトを追加する考え。

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