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オイシックスドット大地 5年で売上高1000億円、中国・上海で食品宅配を開始

2017年10月19日 10:39

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 オイシックスドット大地は5年以内に売上高1000億円の達成を目指す。10月に大地を守る会を吸収合併し経営統合した。達成に向けて食品宅配事業では両社のブランドを維持し、料理キットのトップシェアを獲得する。また、来年度から中国での食品宅配事業をスタートさせる。同月12日開催した事業戦略発表会で藤田会長が「両社の強みを生かして事業をすすめていく」とあいさつした。

 売上高1000億円の達成は、22年度に達成する見込み。売上高と会員数について、それぞれ毎年約20%増で推移する計画。月間購入単価は年間3%増での伸長をめざし、1万6000円とする。高島社長は「売上高1000億円は目指すべきスタートライン。体に良い食べ物を販売する当社がニッチであることは不十分。早期に実現したい」とした。

 売上高達成に向けた施策の1つは、料理キット市場でのシェア獲得だ。料理キットの製造拠点の増強を計画しており、今年度中に生産能力を2・5倍に拡充する。大地を守る会が外注していた料理キットの製造を自社に切り替えていく。

 今秋以降に、新商品としてタレントやレシピ本とのコラボキットを投入する。大人用の主菜と副菜を調理しながら、子ども用のとりわけごはんを作れるキットを本格展開する。また、年末年始のイベント向けの料理キットのメニュー数は前期と比べて1・8倍に増やす。日常使いのほかにイベント需要を取り込み売り上げ拡大につなげていく考え。

 このほか、SNSなどを活用したネットマーケティングや、自社配送トラックの稼働、店舗内専用コーナーなどでの認知度向上を目指していく。

 客単価の向上については、「オイシックス」顧客の販売機会の拡大を図ることで達成する。「オイシックス」の客単価1万2000円に対し、大地を守る会の客単価は2万円と高いという。非食品の取り扱いを本格化することや、会員制度の強化などで成長する方針。
上海で食品の 定期宅配を開始

 新しい事業展開として、海外展開をすすめる。9月19日に、中国・上海に現地法人「上海愛宜食食品貿易有限公司」を設立した。香港の現地法人オイシックス香港の100%子会社で、資本金は180万人民元。代表にオイシックスドット大地の高橋大就氏が就いた。

 通販サイトを開設して、まずは現地で調達した野菜など数十品を販売する。オイシックスの安全基準をクリアしたものを厳選して取り扱い、定期購入サービスを展開する。

 年会費や入会金は無料で、配送日時の指定にも対応する。これまで強みとする品質管理ノウハウや、マーケテイングノウハウを活用して事業の拡大を図る。年内に、上海に住む日本人に向けてサービスをスタートし、来年をメドに中国人向けに展開し本格化する。

 海外展開については、オイシックスが2010年にオイシックス香港を立ち上げて、越境ECを展開。大地を守る会が中国NGO団体と合弁会社を設立し、現地で生産した商品を販売してきた。「安心安全のトップブランドであることで、中国でのシナジーが期待できる。現地の消費者の安心安全な食品に対するニーズに対応したい」(高島社長)とした。

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