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ストップ・ザ・医薬品通販規制、ネット関連団体が政治への働き掛け積極化

2010年 7月15日 11:10

 インターネット関連団体のeビジネス推進連合会(三木谷浩史会長)および日本オンラインドラッグ協会(JODA=後藤玄利理事長)、インターネットユーザー協会(津田大介代表理事)は7月9日、一般用医薬品通販の再開を求める要望書を、関係閣僚や民主・自民各党幹部などに提出した。JODAが参院選立候補者に対し、改正薬事法に関する公開質問状を送付するなど、政治に医薬品通販規制問題を訴える構えを見せていたが、11日の参院選に合わせ、この動きを積極化させた形だ。

 ネット関連3団体が要望書を提出したのは、長妻昭厚生労働相、蓮舫行政刷新担当相、荒井聰消費者担当相、古川元久内閣官房副長官、枝野幸男民主党幹事長、大島理森自民党幹事長など。

 要望書では、医薬品が通販で購入できなくなったことにより、健康の維持に不安を抱える消費者の声が事業者に寄せられている実情を説明。規制導入の過程で国民的な議論が不足しているとした上で、国民に平等かつ安全に医薬品を届けるには、通販も含む供給体制の構築が不可欠との見方を示し、所要の法令整備などを早急に行うよう求めた。

 ネット関連団体側では、政治主導による医薬品通販規制見直しの動きを活発化させており、JODAでは7月2日、参院選立候補者(11日投開票)に対して行った改正薬事法に関する公開質問状の回答結果を公表している。

 質問状を送付した参院選立候補者は194人。うち39人(回答率20・4%)が回答し、医薬品通販を規制する改正薬事法の省令を見直すべきかとの質問で「見直すべき」(72%)、「見直しを含め議論が必要」(15%)とする回答が87%を占めた。

 医薬品通販規制を巡っては、ケンコーコム等が国を相手取り、当該省令の無効確認などを求める行政訴訟を提起しているが1審は全面敗訴。さらに行政刷新会議が6月にまとめた規制・制度改革に関する報告書の中から医薬品通販規制の見直しに関する記述が見送られるなど、医薬品を扱う通販・ネット販売事業者にとって厳しい情勢となっている。

 これに対しネット関連団体側は、ケンコーコム等が提起した行政訴訟の控訴審が9月から始まることなどもあり、政治への働き掛けを積極化させ医薬品通販規制の見直議論を再度活発化させたいようだ。

 今回の参院選では、与党・民主党が大敗し、マニフェストで医薬品ネット販売の拡大防止を謳う自民党が躍進。規制見直しの流れを作り出すには、依然厳しい状況だが、一方で、ネット関連団体側は、利用者のニーズや安全性に配慮した上で医薬品ネット販売を解禁する考えをマニフェストに明記するみんなの党が議席を獲得したことに、少なからず期待しているようだ。
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