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ジェイドグループ マガシークを子会社化 取扱高600億円に拡大へ

2024年 3月 5日 14:05

 靴とファッションの通販サイト「ロコンド」を運営するジェイドグループ(旧ロコンド)は2月29日、33億2600億円を投じてマガシークの株式を取得し子会社化すると発表した。これによってジェイドグループの取扱高は約300億円から600億円規模に倍増し、中期ビジョンで掲げるファッションEC市場における“圧倒的な2位”の実現や、2030年度(31年2月期)までの長期ビジョンである“取扱高1000億円”に大きく近づく。


 33億円強の投資はジェイドグループのM&Aとしては過去最高額で、同社はマガシークの全発行済株式のうちNTTドコモが保有する75%と、伊藤忠商事が保有する3%分の合計78%の株式を取得する。株式譲渡実行日はドコモが3月1日付、伊藤忠商事が3月6日付の予定で、残りの22%は伊藤忠商事が継続保有する。


 ジェイドグループの田中裕輔社長は3月1日付でマガシークの代表取締役会長兼CEOに就任。井上直也社長は代表権のない社長兼COOとなり、二人三脚でマガシークの事業成長に努める。


 また、ジェイドグル―プはドコモと業務提携し、現在、マガシークが行っているドコモユーザー向けのファッション通販サイト「d fashion」のサイト開発や運営、物流機能の提供、マーケティングなどをジェイドグループとマガシークで担う。


 マガシークは伊藤忠商事が持つブランドなどの自社EC運営支援を手がけているが、これらの業務提携関係も継続。ジェイドグループはマガシークの買収を通じてドコモおよび伊藤忠商事と業務提携を結ぶ。


 ジェイドグループでは、「ゾゾさんがソフトバンクグループとなって以来、当社が単独で勝ち残ることの厳しさを感じたこともあった。今回のM&Aを機に携帯電話大手のNTTドコモさん、数々の有力ブランドを抱える伊藤忠商事さんとパートナーシップを結ぶことで、『集客』と『品ぞろえ』というECにとって重要なふたつの要素をバックアップしてもらえることは大きな価値になる」(田中裕輔社長)としている。


 今後、ジェイドグループは、「ロコンド」とマガシークが運営するファッション通販サイト「マガシーク」および「d fashion」の物流・ITインフラを共通化することで品ぞろえの拡充を図るほか、各サイトの顧客を取り込んでグループ全体のユーザー基盤を強化する。「ロコンド」と「マガシーク」の品ぞろえの重複は3割程度と見ており、大幅に拡充可能という。


 また、マガシークの自社EC支援事業を提供しているブランドに対し、ジェイドグループの内製化されたIT・物流プラットフォームを提供することで高品質・低コストのサービスを提供していくのに加え、グループ全体でヒト・モノ・カネの戦略的なポートフォリオ運営を行い、グループ全体の成長戦略の広がりを加速するとしている。


ロールアップ型で規模を拡大

 ジェイドグループは「ロコンド」を軸とするEC事業と、ブランド自社EC支援などのB2Bプラットフォーム事業、「リーボック」の国内事業などを手がけるブランド事業の3事業を展開している。18年に〝圧倒的な2位〟を掲げて以降、とくにファッション系ECのロールアップ型M&Aを加速。19年に「モバコレ」、20年に「ファッションウォーカー」、21年に「waja」をそれぞれ買収したほか、今年2月29日付でアウトレット通販サイトの「ブランデリ」を取得したばかりだ。


 また、ブランド事業のM&Aでは22年にリーボックの日本事業を継承し、ジェイドグループ66%、伊藤忠商事34%でRBKJ社を共同運営している。


 ジェイドグループの23年2月期における取扱高は約236億円だが、24年2月期はリーボックの好調もあって300億円以上を計画。マガシークの24年3月期の取扱高も約300億円を見込んでいることから、ジェイドグループの取扱高は一気に600億円規模に拡大することになる。


 ジェイドグループは千葉県八千代市内に物流拠点「ロコポート」(延床面積約11万5500㎡)を構えるが、マガシークの子会社化に伴い、約1年をかけて物流・ITインフラを共通化するとともに、既存拠点の近隣に延床面積3万5487㎡の新倉庫を来年3月1日から借りる予定で、同拠点のリース料総額は10年で50億900万円となる。
 
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