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新連載・伊勢丹の挑戦① ネット用に仕入れ開始、〝量〟売るためにフルフィル委託

2009年10月 8日 18:09

 伊勢丹のネット販売が新たなステージに突入した。ナショナルブランド(NB)のファッションの取り扱いを開始、初めてネット販売向けに在庫を確保する体制を整えた。それに伴って数量が増加する商品画像やフルフィルメントについては、外部企業に委託。従来よりもターゲット層を拡大し、"量"の販売に挑戦する。

 94日、伊勢丹新宿店メンズ館と同じ商品を取り扱うサイト「イセタンメンズオンラインショップ」を開設した。これまでも、新宿店の店頭商品をサイト「アイオンライン」でネット販売してきたが、取扱商品は限定的で、ましてや一館丸ごと対応したのは今回が初めてとなる。

 「イセタンメンズオンラインショップ」はそれまでの伊勢丹のネット販売とは一線を画す新たな挑戦だ。まずひとつは、バイヤー(買い付け担当者)がネット販売向けに数量を確保するようになった。以前はあくまでも店頭向けの在庫量の中から、その一部をネットでも販売していたにすぎなかった。

 というのも、「アイオンライン」はファッションアイテムの中でも最も"尖った"商品だけを扱う売り場と位置づけている。そのため、他のサイトでも購入できるNBのファッションは取り扱わず、追加発注ができない(量産体制にない)希少性の高いアイテムのみを扱っていた。だから、ネット販売向けに量を確保することがそもそもやりづらかったわけだ。

 一方、「イセタンメンズオンラインショップ」では量産体制にあるNBのファッションも取り扱う。「アイオンライン」の対象顧客は主にハウスカードを持つ実績顧客だが、「イセタンメンズ―」ではファッションが好きなネットユーザーでかつ好みが同サイトと合致する層とし、ネット販売の対象顧客を広げている。NBを扱うことで、商品も対象顧客も"量(パイ)"を広げた。

 次に、新サイトでは商品画像やフルフィルメントについて一貫したオペレーションを持つ専門会社へ業務を委託している。「アイオンライン」の場合は新宿店の館内にスタジオを持ち、撮影やピッキングを行っていた。しかし、商品はそもそも店頭在庫のもので、数も少ないため、撮影のために長時間まとめて借りることは難しく、効率的とはいえなかった。

 「イセタンメンズ―」では、通販サイト「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの子会社スタートトゥデイコンサルティングに委託。"量"を売っていくことを前提に、質を保って大量に捌くことができる同社を選んだ。(次回以降の連載は本紙掲載

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