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ジャパネットたかたの星井龍也専務に聞く、ネット販売戦略の現状とこれから

2011年 1月13日 13:47

ネット販売売り上げは560億円に、エコポイントとサイト改善など奏功

2010年12月期売上高は1800億円弱と前年比で300億円程度の増収で着地する見通しと順調な成長を見せたジャパネットたかた。その大きな原動力となっているのがネット販売事業だ。前期のネット販売売上高は約560億円で総売上高の3割を越え、主力のテレビ通販に迫る重要な販路となってきている。同社のネット販売事業を統率する星井龍也専務にネット販売事業の現状と今後について聞いた。
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2010年12月期のネット販売売上高の見込みは。

 「家電エコポイントによる薄型テレビの販売増で総売上高も伸びたが、ネット販売売上高も大きく伸びた。09年12月期も調子がよく、前年比25%増の400億円弱まで伸ばしたが2010年はそれ以上に伸びた。恐らく560億円くらいはいくと思う。ネット販売売上高が総売上高に占める割合は30%程度になるはずだ(※09年12月期は26%)。なお、560億円というのは純ネット販売売上高で、すべてのネット経由の売上高は600億円を超えているはずだ」

 パソコンと携帯電話の割合は。

 「携帯電話経由の売上高はネット販売全体のおよそ20%だ。つまり、モバイル通販売上高は110億円くらいになったのではないか」

 エコポイント特需以外にもネット販売の売上高を伸ばした要因はあるか。

 「まずメディアミックスが順調に進んだこと。(エコポイント特需で)コールセンターがなかなかつながらない事態も発生したこともあり、テレビ番組やチラシにQRコードをつけて、ネット受注に誘導する施策なども行った。また、09年後半から強化し始めたアフィリエイト広告経由の売り上げが順調だ。専任の人間を2人置き、積極的に取り組んだ。専任者を置いたことで、アフィリエイターのサイト内容を確認して、迅速に認証できるようになり、当社の商品を掲載頂けるアフィリエイターの数が増えた。また、有力なアフィリエイターとの関係性を深めて、当社の商品をより多く掲載してもらうことなどもできはじめてきている。加えて、また、『ツイッター』を使って新商品情報をアフィリエイターの皆様にお伝えする試みを始めている。これによりアフィリエイト経由の売上高は09年の倍近くなったのではないか」

 ほかには。

 「2010年の初めから本格的に取り組んできた通販サイトの改善がうまく行きつつある。これまでは既存のログ解析ツールを使って、お客様のサイト内での行動など追っていたが、ページごとの直帰率やどのページに何秒滞在しているのかなどが把握できなかった。そうしたデータを把握するため、自分たちで見えないタグをつけて、弱いページを把握できるようにした。まだ、改善の余地は多いがこれによって大分、サイトの改善が進んで使いやすくなったはずだ。これに加えて、サイトの階層をなるべく浅くするような改善も進めてきた」

 具体的には。

 「売り上げが見込める目玉商品に誘導する過程でこれまではどうしても階層が深くなってしまっており、お客様はなかなか購入できる商品詳細ページまでたどり着けなくなってしまっていた。そうではなく、商品詳細ページの内容をはじめから作り込んでなるべく階層を浅くするように変えていった。ただ、ページを作り込めばそれだけ人でも時間もかかる。そのため、一方では商品スペックや単純な画像、おすすめ商品の提案などはなるべく人手をかけず、自動化していこうと。自動化で浮いた人手と時間でさらに作り込まねばならない商品ページを作り込むと。この自動化の流れは2010年中に本当はやろうと思っていたが、(エコポイント特需による)対応で手一杯となってしまい、遅れてしまった。2011年には完成させたい」

 今年の目標は。

 「2010年は予想を上回る増収となった。今期は無理に売り上げは追おうとは思わないが、できれば維持できればいいと思っている。そのための施策はいろいろと考えているが、まったく新しいことをどんどんやるよりも、進めてきたサイトの改善などを進め、お客様にしっかりと商品の特徴が伝わるサイトやコンテンツを作っていきたい」


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