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注目企業の媒体戦略「グローバル」 〝再生〟に向け始動、中高齢向け健食で顧客継続化

2011年 2月 4日 17:53

041.jpg  ダイエット食品通販の老舗企業として一時代を築いたグローバルが"再生"に向け始動した。2009年、MBOにより、前オーナーから社員有志が会社株式を取得。徹底的なコスト削減を図り、前期(10年3月期)、黒字転換を果たした。今後、中高齢向け健康食品など商品ラインアップの拡充を図り、顧客の継続性を重視した取り組みで安定的な顧客基盤の構築をめざしていく。

  「代替食」を中心とするダイエット市場が隆盛を極めたのは04~05年頃のこと。サニーヘルス「マイクロダイエット」の爆発的なヒットが市場をけん引し、「市場規模は1000~1200億円と推計された」(石川道生専務)という。当時、グローバルも50~60億円規模の売上高を誇っていた。

 だが、ダイエットの難しさは「成功しても失敗してもいずれ止めてしまう」(同)こと。ブームの終息や競合他社の増加など市場の変化に伴い、グローバルもMBO実施前は3期連続で赤字を計上していたという。

 代替食市場を創出した老舗企業を苦しめた市場の変化を田中文昭社長は「市場のすそ野が広がったため」と説明する。

 従来、代替食を中心として形成されてきたダイエット市場は近年、手軽に利用できるフィットネスジムの台頭など食品分野以外に広がりをみせている。ゲーム感覚でフィットネスができる任天堂「Wii」も新たな分野を切り開いた一つだろう。

 また、国による保健行政への取り組み強化も背景にある。コンビニやレストランでカロリー表示が一般的になり、顧客は食習慣を自己管理することが容易になった。"ダイエット"の一般化が進む中、これに目をつけた大手食品・医薬品メーカーの相次ぐ参入は、少子化と相まって競争環境の激化を生んだ。

 こうした中、"再生"に向け始動したグローバル。昨年7月には、グローバル漢方本社(昨年末に会社清算)傘下の製造会社、グローバル伸和製薬を子会社化し、製販一貫体制に移行。MBOから数年のうちにサポート業務など基幹業務の一部を残し、業務の外注化や人件費など固定費の削減に努め、業務効率の改善を進めた。一時は150人いたスタッフも15人にまで削減したという。

 一方、休眠顧客の掘り起こしを含めピーク時は毎月40万部発行していたDMは、優良顧客を中心とするセグメントの見直しで同10万部にまで削減。効率を重視した広告媒体の選定を徹底し、前期は、売上高こそ往時の5分の1以下の10億円前後にまで落したものの、黒字転換を果たした。

 今期以降、重点的な課題と捉えるのが顧客の"継続性"向上を図る取り組みだ。「顧客のニーズが変化しても(企業としてつながりを持ち、)継続して商品を選択してもらう」ためだ。

 昨年12月に新DM媒体「グローバル ヘルシーファーム マガジン」(=写真)を創刊。中高齢層向けに2~3万部発行しており、従来、ダイエットサポートを目的としてラインアップしてきた健食の商品戦略を見直し、グルコサミンやアスタキサンチン配合の健食など幅広い健康志向を捉えた商品を紹介する。代替食としても利用できる青汁「青汁豆乳スリム生活」などは、激しい競争環境に晒される青汁市場の中においても中高齢層のダイエットニーズに応えたユニークな商品といえるだろう。さらに、定期コースを設けることで顧客の継続につなげる考えだ。

 再生に向け始動したグローバル。ダイエットを軸に30代半ばの女性層をターゲットとしつつ、"健康維持"や"アンチエイジング"といったキーワードから新たなアプローチを模索していく。

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