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通販各社の4月度売上高 総合通販は回復基調に、広告宣伝の再開が好影響

2011年 6月 3日 10:37

 通販各社が4月度月次売上高を公表した。3月11日に発生した東日本大震災の影響を受けて、3月度の売上高が落ち込んだ会社が多かったが、4月度は回復傾向にあるようだ。総合通販各社のうち、千趣会やニッセン、セシールの売上高はほぼ前年同月並みとなった。ベルーナは震災の影響によるカタログ配布の遅れで大幅減収となったものの、秋冬シーズン以降は当初見込みの伸び率を予想している。地震から1カ月以上が経過し、広告宣伝を再開したことで、消費意欲が戻りつつあるようだ。ただ、原発事故の影響などの不安要素があるため、今期の業績に与える影響は不透明な部分がある。

 千趣会の2011年4月度の売上高(連結)は、前年同月比トントンの130億6200万円だった。3月は同9・3%減となったが、売り上げが回復している。同社では「想像以上の回復」(東京総務・広報部)としており、4月に開始したテレビCMや新聞広告なども奏功したようだ。商品では、節電関連商品や汗対策グッズなどが好調に推移した。

 ニッセンの4月度(3月21日~4月20日)売上高は同0・9%増となり、前月度の同8・2%減からプラスに転じた。このうち、インターネット経由売上高は同6・0%増となり、3月度の同8・4%減から売り上げが大幅に伸びている。

 セシールでは、4月度の売り上げ実績について具体的な数値は公表していないが、前年同月並みで着地したようだ。同社によると、4月上旬は震災の影響があり、ほぼ全てのカテゴリーが低調に推移。だが、月後半は、首都圏で放映したテレビCMの効果などから盛り返し、月前半の不振をカバーした。機能訴求型商品のCMなど、戦略的な商品訴求をしたほか、トレンドのチノパンが好調に推移したことなどが奏功し、前年並みの水準を維持した形だ。

 一方、ベルーナの4月度売上高は同14・1%減となり、3月度の同8・3%減からマイナス幅が拡大した。日本製紙の石巻工場が被災したことで同社のカタログ用紙が廃棄処分となり、夏カタログの配布に遅れが出たことが原因。4月の総合通販の売上高は前年同期比19・0%減だった。ただ、同社では「(震災の影響は)現状では大きなものではない」(安野清社長)としており、秋冬シーズン以降は当初見込みの伸び率を予想している。

 スクロールの4月度売上高は、同1・4%減で微減に。3月度は同5・0%増だった(前年同月は昨年4月に子会社となったイノベートの売り上げが計上されていない)。震災の業績への影響に関しては「消費意欲の落ち込みを感じる部分はある」(経営企画部)としている。

 ネット販売企業では、スタートトゥデイの4月度の商品取扱高が前年同月比51・0%増の52億1600万円となった。3月は震災の影響を受けて約10日間、出荷業務を停止したため同5・4%増となったが、4月は震災前の水準に戻った。返品受け付けを開始したほか、ポイント還元率の引き上げなどが売り上げを押し上げる要因となったようだ。ケンコーコムの4月度リテール事業の売上高は、同20・8%増の11億1900万円で3月に続いて大幅増。ミネラルウォーターや日用品など震災関連商品の受注が急増し、月次売上高は過去最高となった。

 家電販売の「PCボンバー」を運営するアベルネットでは、震災のあった3月度売上高は同30%減で大幅減収となったものの、4月度は前年同期を上回る売上高となったようだ。価格の下落傾向が続いている薄型テレビなどが好調に推移した。

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