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通販支援の仕掛け人に聞く・プラネタメディア 富安優太社長「ブログ広告で販促を」

2011年 9月29日 13:39

072.jpg『興味を引き出す一歩を作る』。広告代理事業などを展開するプラネタメディアでは、ブログを活用した広告手法によりネット販売を支援している。芸能人や著名人などトラフィックが多いブログ上で商品をプロモーションし、通販サイトへ送客するという仕組みだ。これまでの3年半で蓄積したデータベースをもとに商材とブロガーをうまく"キャスティング"できるのが同社の強みという。こうしたノウハウを生かし、販売専用の子会社を通じて自社商品の取り扱いも行っている。ブログ広告だけを使って販促を仕掛けたところ順調な売れ行きだという。同社の富安優太社長にブログ広告の現状や特徴について聞いた。(聞き手は本紙記者・比木暁)

――ブログ広告の出稿先は。
 「芸能人やモデル、お笑い芸人、格闘選手、文化人、アスリートなど多岐にわたる。2000人近くにのぼる様々なジャンルのブログを、記事広告という形で販売している。もっとも、一概にテレビでよく見るから売れるというわけではない。そういう意味では非常に特殊なメディアだろう」

――強みは。
 「3年半ブログ広告を手がけ、効果測定も行ってきた。どのブログが、どういう商材に適しているかというデータを収集してきた。ブロガーには独身男性の俳優さんもいれば、グラビアアイドルもいるわけで、その属性は様々。当然、属性によって売れる商材は異なり、商品との相性もある。そこで過去のデータから最適なキャスティングを導いていく」

――ブログ広告は「やらせ」ではないか、という声もある。
 「我々の場合、ブログを書く芸能人に商品を事前に提供し、実際に使ってもらって、良いということであれば広告として受けてもらう。人によっては、使ったが効果を実感できなかったために断られることもある。あくまで自発的な感想として書いてもらう」

――料金体系は。
 「有名なタレントやモデルなどは固定費を支払う純広告パターンで、これが全体の9割程度を占める。残りは一般のブロガーなどで完全成果報酬型で請け負ってもらう」

――ブログ経由で購入するユーザー層については。
 「コア層は14、15歳から24、25歳だ。ただ、全体を見ると25~40歳くらいまではブログ経由でモノを買う。男女比は7対3くらいで女性が多い」

――ブログ広告の効果は。
 「3年半前はブログ広告という媒体がなかったので、実際にものすごい数が売れた。しかし、今ではユーザーも慣れてきて『これ広告でしょ』というムードになっており、以前より費用対効果は落ちている。それでも、未だにクレームが少なくて満足度の高い広告媒体であり続けている。ただ、ユーザーがブログを読んで広告だと分かってもそれはそれでいい。人々の目に付いているということだから」

 「結局、我々はユーザーの興味を引き出す一歩を作っている。ヒット商品が出るとすぐに類似品が出てきて品質的にもそんなに大差はない。その際、類似品の中から1つだけを有名人が実際に使って『これはいい』とブログに書くことで、新たなアクションを起こす"引き金"になり得る」

――自社でも商品の販売を行っている。
 「過去のデータベースから、誰が何を書けば売れるかが分かっていた。そこで、別会社を作り、現状のクライアントさんに抵触しない範囲で商品を作って販売している。代表作がサプリメントの『美的ヌーボ』だ。広告はブログだけを使い、専門の通販サイトで販売している。税込7350円だが、昨年12月から販売して現在まで約8700個を売り上げた」

 「サプリメントにした理由はリピート商品にしたかったのと、品質重視であれば、ある程度高額でもブログ広告をやり続けることで獲得できる顧客層があるということも過去のデータから分かっていた。今では30~40歳代がメーンの顧客になっている」

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