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ジェイド「ロコンド」、仕入れ形態を多様化、来春アパレル開始へ

2011年12月 1日 09:23

靴のネット販売を手がけるジェイド(本社・東京都港区、秋里英寿社長)は、委託販売など仕入れ形態を多様化することで品ぞろえの強化に本腰を入れている。また、来春シーズンから衣料品の取り扱いを開始する計画でブランドとの交渉を本格化。靴を軸にトータルファッションを提案することで安定的な事業拡大につなげる。
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 同社は、今年2月に靴の通販サイト「ロコンド」を開設。テレビCMの積極活用で認知度を高め、垂直立ち上がりを見込んでいたが、震災後の事業環境の変化やIT投資の遅れなどから軌道修正を余儀なくされていた。

 ただ、99日間の返品無料サービスや、電話で靴選びを手助けするビジネスモデルが徐々に消費者の支持を得てきていることに加え、当初の仕入れ形態(買い取り販売)にこだわらない柔軟な体制に移行したことで品ぞろえが強化されてきており、初年度(2012年2月期)は売上高20億円を狙える状況という。

 従来からの取り扱いブランドを中心に買い取り販売は継続しているが、委託販売型とショップインショップ型(モール型)での取り扱いを強化。同社としては買い取りによって生じる在庫リスクを低減できる一方、ブランド側も「ロコンド店」として品ぞろえを強化できるメリットがある。

 今秋冬シーズンからはスペインの靴ブランド「カンペール」が委託販売型で、アパレル大手のワールドがモール型で参加し、人気ブランドが集まりつつある。

 来春シーズンでの品ぞろえ強化に向けては、すでに靴のセレクトショップやマルキュー系ブランドの取り扱いが決まり、大手セレクトショップなどの参画も協議中だ。

 靴のセレクトショップは有力スニーカーブランドなども販売しており、モール型で展開して品ぞろえの強化につなげる。また、現状は30代女性が主力のため、マルキューブランドの取り扱いで20代前半の女性を開拓する。

 商品カテゴリーについては8月下旬にバッグの販売を始めたのに続き、来春をメドにアパレルも視野に入れる。サイト開設当初は3年以内の取り扱いを目指していたが、メーカー・ブランドからのリクエストが強いため商談を前倒ししている。レディース衣料を中心に、大手セレクトショップ、駅ビル系ブランドなどの取り扱いを優先する。

 ジェイドはアパレルにも99日間の返品無料サービスを適用。「買ってから選ぶ、買ってから悩む」というコンセプトを靴以外にも定着させたい意向で、先行するバッグと同様、商品に大きなタグを付け、これを外すと返品できない仕組みとする。

 一方で、利益率の高い自社プライベートブランドの開発も強化。同社では7月にメンズのビジネスシューズを、10月にはレディース向けパンプスなどを企画・開発し、顧客の支持を得ている。今後、協力工場の拡充にも着手して、メンズを中心に商品バリエーションを増やすことで収益基盤の強化を図る。

 「ロコンド」は、品ぞろえが強化されてきたことで、会員数は10万人前後、1日平均の訪問者数は約3万5000人に拡大している。

 10月28日には、伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどが7億円の第三者割当増資を実施。商社が持つファッションブランドとの取り組みを加速するとともに、IT面では新システムを開発中で、基幹システムを含めた全面入れ替えを来年3月に予定しているという。


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