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レナウン、動画活用や返品を検証、客層の分散が課題に

2011年12月 1日 09:36

アパレル大手のレナウン(本社・東京都品川区、北畑稔社長)は、コンテンツやサービス面などを中心にネット販売強化に向けた取り組みを本格化している。
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 昨年4月に自社通販サイト「Rオンライン・ザ・ショップ」を開設後、集客面ではリスティングやアフィリエイトなどをメーンに実施しているが、最近ではグループ会社のウェブサイトからの誘導も強化。ファミリーセールを行うREDUインターフェイス社のホームページにバナーを貼り、同ページ経由で会員登録すると1000円分のポイントを付与する取り組みは、新規会員の獲得につながっているという。

 通販サイトでは、買い物の頻度を高める目的でポイント20倍キャンペーンを実施したり、商品購入者には3カ月間有効な送料無料クーポンを発行する施策などを実施。展開するブランドの根強いファンが多いこともあり、売り上げ規模はまだ小さいもののリピート率は50%以上という。

 コンテンツ面では、動画の活用を始めた。おすすめのコーディネートを30秒の動画で見せる「スタイリングムービー」を、若い女性に人気のカジュアルブランド「アーノルドパーマー」と、ファッション性をうたえる大人の女性向けブランドの代表として「レステラ」の2つのブランドでトライアルを開始。それぞれ8スタイルを提案する。

 動画配信は10月から開始しているが、11月からは両ブランドに合ったバックミュージックを加えて、わくわく感を演出したところ、とくに「アーノルドパーマー」の反応が良く、買い上げ率も高まっており、年内は同コンテンツを継続して採算性を検証する。

 また、ネット販売用の在庫を中心に販売するアウトレットコーナーや、会員限定のタイムセールが好評なため、今後は各ブランドとの連携を強化し、セール商材のネット投入を増やすことも視野にあるようだ。

 一方のサービス面では、11月1日から約1カ月間、「高額商品返品OK&返品送料無料」キャンペーンを展開。単価が高い冬物商品の投入に合わせて同施策を実施し、初めての購入を促している。

 昨年11月にもアウターに限定して返品を受け付けたが、返品できる商品の設定が分かりづらかったため、今回は単品で2万1000円以上の商品はすべて返品できるように改めた。同社では全商品を対象に返品サービスを行うことも検討しているが、まずはアプローチを変えながら消費者の反応や、機会ロスを生じさせない適正在庫の持ち方などを検証する。

 今後の課題は、通販サイトの見せ方の工夫だ。現状、カジュアル感が強い「アーノルドパーマー」はほかのブランドとの買い回りにつながっていないことや、高額商品が多いメンズの基幹ブランド「ダーバン」では返品対応などサービス面でも付加価値をつけたい考えで、まずはブランド全体で通販サイトの集客力を高めて会員の獲得に力を注ぐが、来春以降、ブランドによっては入り口を分けることも視野にある。

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