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NTTドコモ、スマホ通販に本腰

2012年10月18日 17:25

5men.JPG エヌ・ティ・ティドコモがスマートフォンによるネット販売に本腰を入れる。スマホ利用者向けなどにデジタルコンテンツなどを販売する同社のポータルサイトで12月中旬にも物販の専用コーナーを新設。ドコモの直販サイトとしてグループの通販企業の商品を取り扱うほか、「爽快ドラッグ」などの有力ネット販売事業者とも組み、日用品など合計で約7万点を販売する。近くアパレルや書籍の通販事業者と連携し、当該ジャンルの取り扱いも計画している模様。国内最大の携帯電話キャリアが手がける直販サイトだけに今後、どんな通販企業をパートナーに選び、どんな商材を扱っていくのかなどの行方も注視されそうだ。

 ドコモはスマホやタブレット端末の利用者などにアプリや電子書籍、音楽、動画などのデジタルコンテンツを配信するためのポータルサイト「dマーケット」の中に物販の専用コーナー「dショッピング」を新設し、12月中旬から、ネット販売を始める。「dショッピング」はドコモによる直販サイトという位置づけ。ただ、実際にドコモが仕入れ販売を行なうのではなく、同社が選定した通販事業者と組んで、当該事業者経由で商品を顧客に配送するドロップシッピングに近い形となる模様だ。

 12月のスタート時点では住友商事グループで医薬品や日用品のネット販売を行なう「爽快ドラッグ」と組み、同社の取扱商品の中から一部、医薬品などを除いた飲料や水、食品、洗剤などの日用雑貨など7万点を中心に販売する。加えてドコモグループの通販企業である「オークローンマーケティング」および「らでぃっしゅぼーや」の運動器具や有機野菜なども販売する予定。なお、ドコモ傘下の「タワーレコード」の商品は「dショッピング」では販売しないが、同社の通販サイトへのリンクは行なう予定。

 「dショッピング」でドコモグループではない「爽快ドラッグ」の商品をメーンに販売する理由については「顧客のし好や要望に合致するであろう商品を展開する。その際、連携する通販企業がグループかどうかは関係なく、同社の直販サイトとして展開する上で資本や物流体制などがしっかりしている企業を選んだ結果」(同社)としている。

 顧客情報などは携帯電話の契約時の情報を活用することから会員登録などの顧客の手間を省いた。決済はクレジットカードのほか、毎月の携帯電話代金と一緒に商品代金を徴収する「ドコモケータイ払い」(決済上限額は3万円)にも対応。なお、購入額に応じて独自ポイント「ドコモポイント」を付与。またドコモの音声検索アプリ「しゃべってコンシェル」にも対応、音声での商品検索も行なえる。こうしたキャリアならではの利便性で利用者の拡大につなげていきたい考えだ。

 今後、「dショッピング」での取扱商品は拡充していく考えで、具体的にはアパレルや書籍、ゲームソフトなどを検討している模様。日用雑貨で「爽快ドラッグ」と組んだように、取扱商品の拡充の際には、当該ジャンルのネット販売実施企業と連携する模様。連携先は「当社の基準で選定して先方にお声がけさせて頂く」(同社)としている。

 日本最大の契約者数を誇るドコモが展開する直販サイトが今後、どのようなジャンルの商材を販売し、どのような通販事業者と連携するのか。非常に利用者が多いと目される「注目の売り場」だけに今後の行方が注視されそうだ。

 なお、「dマーケット」には「dショッピング」のほか、大手ゲーム会社と協業したゲームサービス「dゲーム」も追加。11月下旬からソーシャルゲームなど15タイトルを提供していく予定。
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