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イトキン、ECでも"世界観"重視へ

2012年12月28日 11:12

アパレル大手のイトキン(本社・東京都渋谷区、辻村章夫社長)は、2013年3月に予定する自社通販サイトのリニューアルに合わせてブランディングを重視した見せ方に改め、ブランドのファンを深耕することでモールとの差別化を図る。また、来期以降、店頭との在庫連動やポイント連携にも着手し、消費行動の変化に対応しやすい環境を整える。

同社はこれまで、通販サイトを"売り場"に徹するあまり、各ブランドの世界観が伝わりにくくなっていたことを反省。サイトのリニューアル後は客層の近いブランドごとに「エレガント系」や「デイリー&ビジネス」「ミセス向けプレタ」などのグループに分けてそれぞれトップページを設け、各グループで新着商品やレコメンド情報を発信し、属性の近いグループ内で買い回りを誘発したい意向だ。

 ネット販売用の物流拠点でモデル撮影を本格化させることから、グループごとに着用モデルも使い分ける。

 サイト刷新時には、取り扱いブランドの拡充にも着手。スペインのクリエーターがデザインするブランド「シビラ」の取り扱いを始めるほか、初めて別法人のブランド「ユマコシノ」を販売するという。

 また、ブランドサイトも刷新してモデル写真の(通販サイトでの)2次利用といったビジュアル面やコーディネート提案などで連携を深め、ブランドサイトからの誘引強化につなげる狙いだ。

 一方、来期(13年2月~)は店頭との在庫連動に取り組んで機会ロスの低減を目指す。

 同社は今期、ネット販売用の在庫は前年に比べ3~4割増えたものの、当該在庫がなくなると追加販売できず、人気商品などは売り逃しているのが現状で、ネット販売拡大のボトルネックになっている。

 そのため、基幹システムの改修に着手して通販サイトの在庫がなくなっても店舗用の在庫を補充できる体制を整え、ネット会員の再入荷リクエストに応えられるようにする。加えて、14年にはポイントなどサービス面でも店頭連携を図りたい意向だ。

 なお、同社の13年1月期のネット売り上げは前年比5割増しを見込んでいるが、来期も同様の伸びを計画する。

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