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千趣会、「わたしの着たい服」再編、カタログ4誌総合版に集約、顧客要望に対応

2012年12月28日 11:03

4-1.jpg千趣会(本社・大阪市北区、田邉道夫社長)は、2013年1月に発刊するファッションカタログ「わたしの着たい服」の内容を大幅に見直した。従来の基幹ファッションカタログを年代層別に4誌に再編し12年1月から展開を始めたものだが、今回のリニューアルでは、顧客の要望などをもとに、全ての商品が見られる"総合版"として1冊に集約。イメージモデルの起用方法を工夫し、各年代層への商品提案を行うほか、4誌展開での知見をもとにより見やすい誌面とした。

千趣会は、基幹ファッションカタログを2011年1月発行の春号から4誌に再編し、「わたしの着たい服」として、シングル・ディンクス向けの「愉しむ人へ」、育児ママ向けの「微笑む人へ」、ベルメゾン主要顧客(30代半ば~40代半ば)向けの「輝く人へ」、45才以上向けの「柔らかな人へ」を展開してきた。

 この試みでは、4誌で統一的に商品を開発し、商品を利用シーンやテイストなど開発単位で捉える"カセット方式"の考え方を導入。カタログごとにカセットの組み合わせや商品の見せ方を変え、ターゲット層のライフスタイルに応じた商品を提案するもので、取扱商品や媒体の効率化を図る狙いもある。

 これは大人の女性客でも若い人向けの服を利用するケースがあることを踏まえた試みで、千趣会によるとレスポンスも良かったが、顧客からセグメントされた商品ではなく全ての商品を見たいという要望が浮上。付随して購入単価の下落傾向が見られるなどの課題があったという。

 このため、2013年1月発行の春カタログから、4誌だったカタログを1冊に集約し"総合版"の位置付けで全ての商品を見られるよう刷新。"いま着たい服、私らしく着こなしたい"のキャッチコピーで、同じ30代の女性でも、結婚の有無や子供の有無で生活パターンが違うこと、独身女性でも仕事や家事、趣味などその時々で必要とするものが変わることを勘案し、欲しいものが1冊に揃ったカタログを目指すことにした。

 リニューアル第1号となる「わたしの着たい服 2013年春号」(A4判452ページ)の掲載商品数は、衣料やインナー、シューズ、バッグ、雑貨など約1万5000品番で、発行部数は約250万部。発行頻度は、春・夏・秋・冬の年4回になる。

 また、従来のカタログでは、「愉しむ人へ」に大政絢さん、「微笑む人へ」に豊田エリーさん、「輝く人へ」に小西真奈美さん、「柔らかな人へ」に黒田知永子さんをカバーモデルに起用していたが、今回のリニューアルカタログでは、大政さんと黒田さんのほか、新たに女優の麻生久美子さんをメーンのカバーモデルに起用。

 これは、30代前半で2012年5月に女児を出産した麻生さんのイメージが同社の主要顧客と合致し、「小西さんと豊田さんの両面のイメージを持っている」(千趣会)ことを受けたもので、今回の春カタログでは、麻生さんによる特集ページを巻頭に掲載。若い女性層イメージの大政さん、大人の女性イメージの黒田さんを起用したカタログ内の企画ページで、幅広い年代層をカバーする形にした。

 今回のカタログ刷新は、12年1月の4誌再編から1年での方向転換になるが、千趣会では、顧客の要望への迅速な対応と、4誌展開で得た知見を活かしたより見やすい誌面作りなどを通じ、受注の獲得につなげる構えだ。

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