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JSCの篠原淳史社長に聞く、ショップチャンネルの現状と今後は?㊤、16期連続で増収を維持

2013年 7月 4日 10:36

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ジュピターショップチャンネル(JSC=本社・東京都中央区、篠原淳史社長)の2013年3月期決算は売上高が前年比5・2%増の1271億6100万円、営業利益が同2・0%減の203億5500万円、経常利益は同1・4%減の205億3100万円、当期純利益は同4・3%増の125億9800万円と創業来16期連続の増収と最終利益ベースで増益を確保した。前期の状況と今期の戦略について同社の篠原社長に聞いた。

前期も増収を確保し、また最終利益も増益だった。

 「前期は16期連続で増収、また過去最高益を更新した。数字的にはほぼ満足いく結果だった。すでに年商1000億円を超えている中で、増収増益を確保していくのは正直、しんどいところもあるが、私が社長のうちは成長を止めたくないので社員のみなと共に何とかがんばっているところだ(笑)」

 増収増益のポイントは。

 「毎年のことだが、商品力、番組力、オペレーション力を着実に強化していくことによる地力の強化だ。これは社員みな心得ていて、しっかりやってくれている。昨年4月には『心おどる、瞬間を。』というカンパニータグラインを設定したが、この言葉のもとに、また従来からやっていることだが、もう一段、『瞬間、瞬間にお客様の期待を超える喜びと感動をお届けしたい』という意識を強めてやってくれたと。そういう基本の繰り返しがしっかりと積みあがってきているのだと思う」

 具体的なところでは何かあるか。

 「例えば2011年度は比較的、アパレルやファッション雑貨などが相対的に苦戦していたところがあった。そういったこともあったので、2012年度は多少、価格ミックスのバランスを下にも広げた。要は比較的、お手ごろな価格帯の商品のラインアップを増やした。単に安売りということではなくて、例えばカシミアなど分かりやすい商品を例えば5000円など、分かりやすい値段で、開局記念の特番の時などを中心にご紹介することで、よりバリューを感じて頂いて、ご購入くださると。そうなると顧客数、アクティブカスタマーが増えてくるわけで、そうしたお客様がまた色々な商品を購入頂けるという効果も出た。

 こうした商品面の施策の一方で、番組的にも『大人ガールズプロジェクト』や『ワールドギャラリー』などの力を入れている番組と結びつけて、ジュエリーやアパレル、ファッション雑貨といったファッションカテゴリーを押し上げて、前の年は芳しくなかったこのジャンルの売り上げが回復した。商品でお客様の動きを活性化しながら、番組の強化をすることで全体を押し上げていくと。これは1つの例でファッション以外にもそれぞれのカテゴリーで同様の試みを行っている」

 ファッション分野以外に前期、目立ったカテゴリーはあったか。

 「カテゴリーごとに放送時間を大きく変えるようなことはしていないため、大きな変化はないが、それぞれのカテゴリーでそれぞれの予算をきっちり達成してくれた。そういった意味では各カテゴリーで地力はついてきたと思う」

 商品的に何か印象に残った売れ筋などはあったのか。

 「特にない。それによりも安定して売るべきものが売れたという印象が強い。従来から売れ筋のものはしっかり売れているし、新しく投入したもので育ってきたものはたくさん出てきている。そこのバランスが非常にうまく回っていると思う」

 客単価についてはどうか。

 「やはり先ほど申し上げた施策などで客単価は上がってきている。もちろん、商品の価格バランスを広げることで、1回あたりの客単価は下がるケースなども出てくるが、その分、商品の購入回数が増えることになるため、平均で見れば一客あたりの客単価は上がっているということになる」
(つづく)

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