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消費者庁 地方の体制整備に本腰、法執行も強化の方向へ

2010年 2月18日 11:32

 消費者庁は地方消費者行政の強化に本腰を入れ始めた。2月9日に「地方行政消費者行政の充実・強化のためのプラン」を公表し、この中で消費生活相談体制の充実や法執行を担う体制整備や人材の強化など自治体側に望まれる対応を提示するとともに、具体的な取り組み事例を掲げている。もともとは、全国各地の消費生活センターに寄せられた相談等を消費者庁で一元的に収集し、必要に応じて法執行等を行う形を構想していたが、財政難などの問題などから地方の体制が十分に整っていないのが実情。今回のプランをもとに、消費者行政のインフラ整備を進める構えだ。


 プランは、地方自治体の消費者行政担当者等の意見をもとに、2009―11年度にかけての取り組みテーマをまとめたもの。主要テーマとして①消費生活相談体制の充実②法執行の強化③相談員の処遇改善④行政・担当職員の取り組みの強化⑤地域や地域を跨る連携、国との連携強化を挙げ、それぞれに地方に期待される対応と、消費者庁としての取り組み方針を打ち出している。

 この中で、最も気になるのは法執行体制の強化だが、これについては、まず人材の強化など体制整備の必要性を指摘。特に執行までに綿密な調査が必要となることから、自治体に執行担当者の配置や専任化、組織内での位置づけの強化などを求めている。

 一方、実際の執行実績は、自治体ごとにかなりのバラツキがあり、立入検査等のノウハウにも差があることから、執行実績が豊富な他の自治体との連携促進にも言及。消費者庁としても、自治体同士の連携の仲介役を担うほか、自治体の執行担当者を対象にした執行・法令研修の充実を図っていく考えだ。

 このほかに、「特定商取引法」等の処分実績がない自治体に対し、国や国の出先機関が立ち入り検査に立ち会い、各都道府県警から職員・OBなどの受け入れによる実務ノウハウの吸収にも言及している。

 また、消費者庁は今回のプラン策定に伴い、福島みずほ消費者行政担当大臣を本部長とする「地方消費者行政推進本部」を設置。地方自治体のプラン推進のための支援や、消費者庁および国民生活センターとしての取り組みの具現化などを目的としたもので、本部内に地方消費者行政活性化の基金の運用と、相談員の雇用形態・勤務体形等に関するワーキンググループを設ける。

 これまでにも地方消費者行政の脆弱さが指摘されていたが、消費者庁では今回のプランを足掛かりに、各自治体の相談窓口体制や法執行レベルの底上げを推進。自治体による法執行も強化されるものと見られるだけに、通販事業者も注意を要するところだ。
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