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今年のおせち、各社順調 食材表示偽装問題も追い風

2013年12月20日 16:16

031.jpg 師走に入り、いよいよ需要のピークを迎える「おせち」。毎年、一定の需要が見込め、通販各社にとっても重要な季節商材の1つだ。しかし、今年は一連の食材表示の偽装問題があり、それがおせちの売れ行きに悪影響を与える懸念もある、との見方もある。それでは実際、通販各社の今年の「おせち」の販売状況や売れ筋、トレンドはどうなのか。また、食材表示偽装問題は売れ行きに影響を及ぼしているのか。主な通販実施各社の「おせち」の状況について見ていく。

 千趣会では例年に比べ、10月のスタート時は受注が少なかったものの、11月に入ってからは例年通りの受注となっている。「年々、直近の需要が増えており、(受注が)後ろにずれている」ためのようだ。トレンドは「和・洋・中などバラエティ豊かなメニューが詰め合わされているもの、家族みんなで食べられるメニューが入っているものが人気」で、「オリジナル和洋中三段(しょうざん)」(税込1万5750円)や「笑門来福(玉清)」(同1万8000円)などボリュームがあり価格が2万円以下というお得感もあるものが売れ筋のよう。

 ディノス・セシールではおせちの受注状況は「前年を上回るペースで推移している」という。ディノス事業で展開するおせちでは、国産主原料にこだわり、全国の自信の味を選んだオリジナルの「こだわり厳選おせち」(同1万6900円から)は毎年のリピーターも多く人気。夫婦だけの正月用のおせちとして一折に一人前ずつ詰めた重を2つセットした「千賀 琴千寿おせち」(同1万500円)など顧客ターゲットに合わせて用意したものも売れ筋だ。セシール事業では「神田正幸監修和洋ファミリーおせち」(同1万6800円)や「川越達也のおせち二段重」(同1万2800円)など洋風や子供も楽しめるおせちが人気のようだ。

 ベルーナもおせちの受注状況は「昨年よりもプラスで推移している」とする。売れ筋は「ベルーナオリジナルおせち結」(同1万500円)で、こだわった素材を使用した41種類のメニューが入った三段重で1万円というお得感が奏功した。

 ジュピターショップチャンネル(JSC)では「受注状況は前年を上回っている」とする。同社ではオリジナルで毎年、顧客アンケートで商品を入れ替えながら、全国から厳選した商品を1種ずつ小分けにして詰め合わせた24点セットの「萬福」(期間限定価格=同19980円)と15点セットの「笑福」(同=同1万3900円)を販売しているが、特に「萬福」が人気。毎年リピーターが多く、今年も既存顧客向けのDMによる先行販売で多くを受注したようだ。それに加えて今年はテレビ通販での販売日を、同社が年間で最も売り上げを上げる月である11月の「アニバーサリー」の前夜である10月31日に変更したことや人気の「萬福」の商品点数を昨年の23点から1点増やしたことなどが奏功したようだ。

 QVCジャパンでもおせちの受注は好調のようだ。11月29日の年末年始食品特集で紹介したカロリー控えめの「やさしいおせち絵馬型二段重(山福)」(同1万2999円)が番組放映中に完売したという。

 JALUXでも受注は好調に推移しているよう。昨年よりも高単価傾向にあり、特に「御所錦おせち4段(美先)」(2万4000円)や「玉手箱おせち(鳴駒)」(2万円)といった2万円以上の価格帯のおせちの動きがよいようだ。歳暮カタログで販売するのではなく、「おせち」に特化した別冊カタログでの展開が奏功したようだ。

 オイシックスでは価格が高い商品が売れ筋となっているという。例年は「高砂」(1万57500円)が売れ筋だが、今年は「高砂三段重」(2万1000円)が人気。また、同社では一番高額な「瑠璃」(8万400円)も昨年よりも早く売り切れたという。

 大地を守る会では宅配で10月と11月の予約受注分が前年比65%増と好調に推移しているよう。特に3万円と高額な「北海道海鮮おせちセット(三段重)」は前年比で倍以上の受注となっているよう。

 食材表示の誤表記・偽造問題については「特に影響はない」(千趣会、ベルーナ)、「ダメージは感じていない」(ディノス・セシール、QVCジャパン)と通販各社の「おせち」についてはあまり影響を及ぼさず、「ベンダーやバイヤーが産地を訪問した話なども番組の中で紹介し、信頼を得られたことが大きな売り上げにつながった」(JSC)、「百貨店でのキャンセル等の報道もされているため、弊社のおせちへの切り替えもあるのではないか」(大地を守る会)、「食材の偽装問題が報道で取り上げられから新規顧客が増えており、当社の安心安全基準や情報発信の姿勢が評価されたのでは」(オイシックス)など、逆に追い風となっているところが多かったようだ。

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