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JTB商事 土産カタログでネット連携強化

2014年 5月16日 10:03

041.jpg 旅行関連事業などを手がけるJTB商事は、基幹事業として海外土産物を取り扱う通販カタログ「JTB世界のおみやげ」について注文作業や商品情報発信などで通販サイトとの連携を強化している。紙媒体とネット双方から"土産物通販"の利便性をアピールすることで利用者のすそ野拡大を目指す。

 現在、同カタログと並行して展開する自社通販サイトは利用者の多くがカタログの読者で、ネットは購入ツールの一つという位置付けが強いという。しかし、今後はよりサイトのコンテンツ力を高めることで、カタログとは異なる独自の集客を図ることを進める。具体的には誌面スペースに限りがあるカタログでの情報を補完するため、土産通販の具体的な活用方法をはじめ掲載ブランドの詳細な解説や独自の特集企画といった情報ページを開設。カタログの表紙にも同サイトのURLを記載して、ネットで限定情報を公開していることも告知している。

 また、本来の「土産物」の領分にとらわれることなく、自家需要やクリスマス、バレンタイン、母の日など日常のギフト需要を見据えたネット限定の商品も投入。「カタログに順じた商品政策でいくと1年間変わらない形になるので、(ネットでは)祭事や旬な物を打ち出してうまく住み分けを作っていきたい」(同社)とする。

 そのほかにも注文時での連携施策として、カタログを見ながらモバイル端末などを使って郵送・FAXよりも手軽に注文したい顧客のために「クイックオーダー」機能を導入。同サイトの専用ページで商品番号を入力すれば商品名が自動表示され、後は希望個数を入れて注文先を登録するだけで作業が完結する仕組みとなっている。同システムはスマホからも利用でき、現在ネット注文の約3割を占めるスマホユーザーからも好評の企画となっている。

 同社によると、昨今は土産に対する習慣も大きく変わり市場の縮小も一部で見られるが「荷物量を抑えて楽に旅ができるというこのサービス自体を知らない層もまだ多く、開拓の余地は十分ある。どのような形で最適に商品を提供できるかもっと考えていきたい」(同)とした。

カタログ発刊1カ月前倒し

 なお、今年度の海外土産通販事業は消費増税による旅行申し込みの前倒し需要を見越して、例年よりも1カ月程度早いスキームで商品切り替えを実施。3月上旬にカタログを配布し、サイトの商品切り替えも早めたことで4、5月の旅行客の土産物需要を大きく取り込むことができたという。

 また、これまでスポットで行っていた送料無料企画(税別5000円以上の購入)についても、近年の無料化の潮流を受けてサービスメリット向上のため今年から通年企画として採用している。

 今年度のカタログは「ヨーロッパ」方面で8ページを増量し、イタリア製の高級洋菓子ブランド「ヴェンキ」などを初掲載。「ハワイ」方面も4ページを増量して、近年注目度が高まっている「パンケーキ」の特集を2ページで展開している。商品数ベースではそれぞれ1割増となっており、この2方面を強化することで主要顧客であるハネムーナーやウェディング、熟年層の需要を取り込んでいく考え。「今年は特にブランド商品を全面に押し出す方針で、表紙でもその画像を使ってPRする構成に変えている」(同)とした。

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